F&Aレポート

F&Aレポート 2022年5月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

雨の季節は「傘」の季節

 沖縄はすでに梅雨入りしているそうですが、本土でもまもなく雨のシーズンを迎えます。雨の季節には欠かせない傘は、今は100円ショップでも見かけるようになったため、その価値も扱いもぞんざいになりがちですが、傘にもちゃんとマナーがあります。

 「江戸しぐさ」では「傘かしげ」とよばれる行為があります。雨の中、狭い路地を歩くときにすれ違う人に傘のしずくがかからないように、人のいない側に傘を傾ける配慮のことです。とても些細なことかもしれませんが、お互いが気持ちよく生活するための思いやりであり、現代にも通じるマナーといえるでしょう。

 また、傘といえば今や日傘も普及していますので、晴雨関係なくこれからの季節は傘の出番は増えてきます。傘のマナーを確認しておきましょう。

傘を開くとき
斜め下に向けて周囲に人がいないことを確かめてから静かに開きます。
傘を閉じるとき
傘を上で閉じながら下に向けます。
傘を持ち歩くとき
自分の体からあまり離さないようにまっすぐに下に向けて持ち歩きます。
傘をさすとき
体の中心近くでまっすぐに持ちます。柄の向きでバランスをとりましょう
電車やバスで
傘をたたみベルトをしめます。店舗の入口などに置いてあるビニールの傘袋を活用すればしずくが車内に垂れず便利なことも。

 現代ではあまりにも日常的な道具になった傘ですが、江戸時代の庶民にとっては雨具といえば合羽や蓑笠が主流で、傘は贅沢品とされていました(大阪を中心とした上方で広まりましたが、その技術が広まり江戸庶民に普及するには時間を要したそうです)。

 傘は扱い方によっては危険なこともあるということを忘れず、雨の日も晴れの日もお互い気持ちよく過ごしたいものです。