F&Aレポート

F&Aレポート 2021年12月20日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

「群盲象(ぐんもう ぞう)を評(ひょう)す」から学ぶ

 「群盲象(ぐんもう ぞう)を評(ひょう)す」という、インドの寓話をご存知でしょうか。

 昔、インドの王様が目の不自由な人を集めて象の一部だけを触らせて、それが何であるかを答えさせました。

  耳を触った盲人は「これは扇です」
  足を触った盲人は「これは柱です」
  鼻を触った盲人は「これは綱です」
  腹を触った盲人は「これは壁です」
  牙を触った盲人は「これはパイプです」

 それぞれが違うことを言い張り、自分こそが正しいと主張し対立しました。

 この寓話は普遍的な戒めに富んでいて、多くの国や地域で語られています。

  1. 盲人たちの意見はそれぞれ正しいが、一部でしかない
  2. 一部だけを触って、それがすべてだと思い込んでいる
  3. 同じ真実でも、表現が異なる場合がある
  4. 異なる意見を受け入れないのは、対立しか生まない
  5. 異なる意見を受け入れないままでいると真実にはたどり着けない
 そして、「この盲人たちこそが、私たちの姿である」ということです。さらに、私たちは物事の一部を知っていると、「もうそのことは全て知っている」という認識に陥り、そのことについて「知ろうとしなくなる」という傾向があります。

 「人」「情報」「仕事」など、ある程度の社会経験がある人なら知識はたくさんあると思いますが、その「知識」がさらなる「成長」や「チームワーク」を妨げていることもなきにしもあらず。時には「群盲象を評す」に学びたいものです。