F&Aレポート

F&Aレポート 2015年8月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

場慣れしたフリはかっこわるい

 たとえば、五つ星ホテルのレストランで食事をするなんていうと、たいていの人は気後れしてしまうものです。だからといって、気後れしていることを隠して、これ見よがしに「こんな店、たいしたことないわ。しょっちゅう来てます」というフリをするのも、傍からみると、奇妙な印象に映ります。目線や肩のあたりに力が入っていて、どこかぎくしゃくしているのは、見る人が見ればわかります。

 どんなに高級店でも、またあらたまった席でも、食事をする作法には変わりはないのです。同席する人達に不快感を与えず、その場を和やかに楽しむつもり緊張を解きましょう。

 食通で、たくさんのお店を知っている人だって、初めていくお店があるのは当然のことです。メニューを見て疑問に思うことがあれば「これは、どんなものですか?」「どんなワインが合いますか?」などと、素直に尋ね方がベターです。

 「ここは初めて来るけど、いいお店ですね」「初めて来るので、ちょっと緊張しているんですよ」などと、自己開示するほうが自分も周囲も楽になります。

 一流の店であれば、本物の一流人を数多く見ているので、中途半端な知ったかぶりはすぐに見抜かれてしまいます。また、不慣れな人をバカにすることはありません。

 客としてなんでも知っていることが上品なのではなく、寧ろ、知らない事を知らないと言えるほうが品の良さを感じます。素直に聞いて、教えてもらい、覚えることで、さらに品性が高まるのです。それでもどうしても「場慣れしたフリ」をしたいときは、下見をして徹底的に準備をして、完璧な「場慣れしたフリ」をするべきです。

 完璧な「場慣れしたフリ」?それはもう「フリ」ではなく、本当に「場慣れしている」といえるのでしょうね。