F&Aレポート
アガリを静める呼吸法
「緊張したときには、深呼吸をして」と、よく言われますが、このときの「深呼吸」のやり方をご存知ですか?
一般的に「深呼吸」といってイメージするのは、ラジオ体操の最後の深呼吸ではないでしょうか。「さぁ、胸いっぱいに空気を吸って、深呼吸しましょう!」という元気な声とともに、両腕を開いて大きく息を吸い込みます。
実は、アガリを克服するときの深呼吸は少し違います。
何が違うかというと、まず、「胸式呼吸」ではなく「腹式呼吸」です。そして、息を「吸う」のではなく「吐く」のです。
人間の体は、息を吸うと力が入り、息を吐くとリラックスしやすくなります。唇の先から絹糸を吐き出すように、細く長く息を吐きます(目安10秒)。次に、鼻からゆっくりと息を吸い込みます(目安5秒)。これを繰り返すのです。
そのときに、胸に息をためるのではなく、お腹の底に息をためるようにします。ちょうどカエルのお腹のように、お臍のあたりが膨らんだりしぼんだりします。
腹式呼吸をすると、お腹が息を吐くとしぼみ、息を吸うと膨らみます。こうすることで、次第に副交感神経が優勢になり、血流も良くなり、情報の整理がしやすくなります。
「緊張して頭が真っ白になる」というのは、交感神経が優位になり、神経伝達物質であるノルアドレナリンが過剰に分泌されている状態です。ノルアドレナリンが多く分泌されると、脳内で過剰な興奮や活性がおこり情報が混乱するといわれています。頭が真っ白になるというのは、まさにこんな状態ですね。
アガったときは、まずは腹式呼吸で息をゆっくり吐いてみましょう。このとき、目を軽く閉じるのも有効です。1分間腹式呼吸をすれば、真っ白になっていても冷静に判断しやすくなります。日頃から時々、集中したいとき、気持ちを切り替えたいとき、深呼吸は有効です。アガリやすい人は、是非試してみてください。