F&Aレポート

F&Aレポート 2015年4月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

「ジョハリの窓」〜自己理解がキャリア充実への大前提になる

■ 誰もが、「自分らしく充実した仕事人生でありたい」と願いますが、自分を知らなければ自分らしく活躍することはできません。まずは、自分らしい充実した仕事人生を過ごすためには、自分らしさを知ることです。これを「自己理解」といいます。自己理解なくしてキャリアを開発することはできないのです。「自己理解」の方法は、(1)自己分析、自己対話(2)客観的なデータ(3)他者からのフィードバックです。
■ イギリスの作家チェスタートンは、「人は宇宙を知っているかもしれない。しかし、自己は知らない。自己はどんな星よりも遠い」といい、河合寛次郎氏は、「この世は自分を探しに来たところ。この世は自分を見に来たところ」と述べています。
■ 今回は「心の4つの窓」を表すジョハリの窓をご紹介します。

「ジョハリの窓」image  ジョハリの窓はジョー・ルフトとハリー・イングラムが発案したもので、私たちの複雑な心を4つの窓で表しています。
(1)「公開された窓」:行動、感情及び動機について、自分にも他人にも十分理解されている領域
(2)「隠された窓」:行動、感情及び動機について、自分だけが理解していて他人にはよくわからない領域
(3)「盲点の窓」:行動、感情及び動機について、自分にもよくわからないが、他人にだけ知られている領域
(4)「未知の窓」:行動、感情及び動機について、自分にも他人にも十分理解されていない領域

<それぞれの窓の特徴>
(1)「公開された窓」:自由に行動できる領域で、この領域を広げることが自己表現や自己の成長につながります
(2)「隠された窓」:自分の嫌な面や弱みなどを意識的に隠して、他人から気づかれないようにしています
(3)「盲点の窓」:自分は意識していないが、それも自分の一部であり、他人には伝わっている領域です。
(4)「未知の窓」:隠された才能や、抑圧された感情や衝動。

 以上の4つの窓を持ちながら、私たちは常に人間関係を形成しています。

 スムーズな人間関係を作り上げるには、自分自身を知り、4つの窓の中の開放した部分、即ち自分も他人もわかっている領域(公開された窓)を広げる努力が必要です。そして、同時に他人から、自分がわかっていない、気づいていない自分を教えてもらうことによって、さらに「公開された窓」が大きくなります。「公開された窓」を拡大するには2つの方法があります。

(1)自己開示
自己開示は(2)「隠された窓」の領域を小さくすることです。すなわち、自分が意識的に隠している部分を人の前に出していくことです。

(2)フィードバック
他人から、自分の行動がどのように受け取られているかを指摘してもらい(フィードバック)、その指摘を受け入れることです。それによって、(3)「盲点の窓」の領域を小さくすることができ、結果的に「開かれた窓」を拡大することができます。