F&Aレポート
F&Aレポート 2006年2月10・20日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

 確定申告が始まりました。その関係で、最近、私のメディア露出が続いています。2月15日FM愛媛の井坂彰の「グレートノイジークラブ」に出演し税理士記念日のイベントについて話をし、19日は、三越で税理士会の税務相談を担当したところ、地元局のニュースにその映像が出てしまいました。「ラジオで聞いたよ」とか、「テレビで観たよ」と言われます。もちろん、これは私の個人的な実績ではなく、税理士会からの要請(強制?)なのですが、一度か二度でこの程度ですから、毎日出てたら人生観が変わるかもしれません。以前、国会議員だった友人が、「自分の発言が新聞に出るようになると、自分が世界を動かしているような錯覚に陥る」と言ってましたが、ホントにそうなるんでしょうね。
 ところで、そのFM出演は、パーソナリティと税理士記念日や確定申告につい てインタビューを受けて応える内容だったのです。しかし、これがなかなか難し い。セミナーの講師で一方的に話を構築していくのとはぜんぜん違います。しか もリスナーの顔がぜんぜん見えません。それから、マスに話しかけると言うこと で、「こんな表現方法がイカンな」とか、「これを言うと税理士会のイメージが 悪くなるかな」と考えながら、発想が萎縮してしまうことです。テレビ観ながら、 ゲストの話す内容について文句をつけることがありましたが、あれはあれで結構 大変です。皆さんもぜひ一度経験して見てください。
 ちなみに、今回のFM出演は家族同伴でした。ディレクターが高校時代の友人 ということもあり、気軽にOKが出ましたが、付き添いで来てくれていた税理士 会の役員さんはちょっとビックリしたかもしれません。ともかく良い経験でした。
 では、そろそろ申告の作業にかかりますので、この辺で。

PDF F&Aレポート2月10日号[PDF版]「クレームフローを要チェック」InternetDisk

PDF F&Aレポート2月20日号[PDF版]「”型”を作って魂を入れる」InternetDisk

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2月10日号 クレームフローを要チェック
 以下は、あるフランチャイズのカフェで実際に起きたクレームである。どの時点 で客はどう感じたのか?また、なぜクレームに発展したのか?あなたならどう対応 するだろうか?

1,寒い日 朝一番の客
 ビジネスマンもまばらな土曜日の朝の繁華街。あるカフェに母娘(おやこ)二人 連れがやってきた。午前8 時、店のオープンとほぼ同時だった。 母娘にとってその店は、初めて訪ねた店で要領がよくわからない様子だった。入 口の扉が開きにくい。数秒間ガラス扉を押し引きしている間、店の女子従業員二人 は、カウンター越しにその母娘をじっと見つめているだけだった。「気付いているな ら、すぐに駆けつけて来てくれてもいいんじゃない?不親切な店員ね」と、母親は 内心不満に思った。
 その後、母娘は店内に入ったが「まだ準備中だったの?早く来すぎたのかしら?」 と、思うくらい店内には活気がなく、二人の女性従業員も、口先で「いらっしゃい ませ」と言うだけで、お客様を歓待しているという雰囲気や表情はなかった。母親 は一瞬「この店に来るんじゃなかった!」と後悔したが、寒い中、娘を連れて別の 店に行くのもためらわれて、致し方なくそのままオーダーした。
 娘はココアとモーニングセットを、母親はコーヒーだけを注文した。店員は「モ ーニングセットは時間がかかります」と言う。「どのくらい時間がかかりますか?」 と聞くと、「10 分ぐらい」と答える。「10 分なら、まあいいですよ」と言い、支払 いを済ませ、取り敢えず二人分の飲物だけを受け取って席に着いた。
 手持ちの本や新聞を見ながら飲物を飲んで、モーニングセットを待った。しかし、 20 分経過してもなんの音沙汰もない。娘は「まだ?もうココアがなくなっちゃうん だけど?」と言う。確かに遅い。店が混み合っているわけでもない。店内に居る客 は2,3 人である。「カフェでモーニングセットをオーダーして20 分もかかるのは 遅すぎる」とまたもや不信感が募る。しびれを切らした娘は、自らカウンターに行 って「モーニングセットはまだですか?」と、聞いたが、一言一句そのまま「あ、 今焼いてます」という返事が返ってきただけだった。
 そのやりとりを聞いていて、母親はまた不信に思う。「子供だからバカにしたのか しら?もう少し、詫びる言葉があってもいいんじゃない?すでに充分待たせている のだから」と。
 待つこと30 分。ようやく、一人の店員がモーニングセットを運んできた。「モー ニングセットです」という言葉とともに、モーニングセットがテーブルの上に置か れた瞬間、ガチャンと音がした。
 これまで、店に入るときから沸々と湧いてきた不信感が、クレームとして行動を 伴う引き金となったのはこの瞬間である。「モーニングセットで30 分も待たせてお いて、“申し訳ございませんでした”“お待たせしました”の一言もないわけ?」と 思った。母親は、娘に「ゆっくり食べててね。ママはちょっとお話してくるからね」 と、カウンターに向かった。
【クレーム対策】思考のポイント

  1. 従業員に最も欠けていたものはなんでしょう?
  2. この従業員が、あなたの部下だったら、何をどのように 指導しますか?
  3. なぜ、このような事態が起きたのでしょう?
  4. あなたがこの店の責任者なら、母娘に対してどういう対応をしますか?
  5. あなたが母親なら、どのように対応されれば納得し「この店にまた来たい!」と思いますか?


2,店側の対応
 母親のクレーム 1.当初10 分待ちという話が30 分も待たせたこと 2.その為、すっ かり飲物も飲み干してしまっていること 3.待たせたことは致し方ないとしても、詫 びる言葉もなく態度も雑だったこと等を受けて、その場に不在だった責任者(店長) から10 分後、電話で謝罪があり「十分なサービスが出来ていなかった。迷惑をか けた」との理由で、支払った代金は返金された。

3,不満からクレームへ 適切な対応とは
 CS(顧客満足)という言葉が掲げられて久しいが、顧客対応者に対する研修をし ていると「わがままな客が増えた」という声をよく耳にする。しかし、しっかり認 識しなければならないのは、すべての顧客の不満や怒りには理由があり、小さな不 満からクレームとして行動に至るまでには段階があるということである。顧客の期 待を受け止め、サービス業としての基礎を徹底していれば、小さな不満のうちに顧 客の気持ちを挽回する手だてはいくらでもあるはずである。また、謝罪の為に訪問 する、返金する、詫び状を書く等、クレーム対応はコストである。同じコストをか けるなら、ただ型どおりの謝罪で終わるのでなく“災い転じて福となす”の言葉通 り、クレーム対応を通じて逆にファンにしてしまうほどの対応を目指すべきである。


”型”を作って魂を入れる
Aquarius Method(アクエリアスメソッド)

1,日本人の「腑に落ちる」道の教え
 武道・茶道・華道・書道等、“道”がつく教えは、日本独自の考え方や作法が、一 つの形式となり、あるいはいくつかの流派に分かれて、今もなお受け継がれている 奥深い世界である。それぞれの“道”についての詳細はさておき、日本人の心を表 すともいわれるこの“道”の共通点の一つに「型から入って、その奥義を知る」と いうのがある。
 華道・茶道の文化、また剣道、柔道といったスポーツもそうであろうが、すべて の教えが、まず“型”を覚えることから始まる。最初は意味も分からず、指導され るままに形を覚えていくが、そのうち形の意味するところや、その形の奥にある仁、 義、礼などを感じ取り、身につけていく世界である。
 この“道”の教えは、ビジネスにおいても共通したところがあり、“型”と“意識” を分けて捉えると分かりやすく「腑に落ちる」のである。「腑」とは、心や心の働き のことである。頭だけの理解ではなく、合点がいく、納得できる状態になって初め て人は動く。
 ここで“仕事”というものを振り返ると、あらためて多くの基本があり、基礎と なる“型”があることに気付く。組織として“型”を徹底することで、意識はある べきところに納まり、人の質とパワーは向上し、組織は成長するのである。

2,意識改革の切り口
 2004 年3 月期、再び過去最高の業績をあげた日産。この快進撃の立役者となっ た、社長のカルロス・ゴーン氏は「再生に最も大切なのは“人”の改革である」と 言っている。どんな改革においても重点を置かねばならないのは“人”で、改革を 推進するスタッフがモチベーションを持てる環境をつくることが必要であると。ま た、同時に「意識改革」の重要性も唱え、人々に異なる視点を与え、会社の現実を 今までと違う角度から見られるようにすることが、とても大切な要素なのだと訴え ている。
 「意識改革」の切り口は無数にある。会議のやり方を変えてもいいだろうし、朝 礼を工夫するのもいいだろう。しかし、組織全体で持続的に改革を進めていくのな ら、単純でわかりやすいものがいい。
 長年「凡事徹底」を説き、そうじを徹底することで会社を変える、心を磨く、謙 虚になるという指導を続けておられる鍵山秀三郎氏の指導をみてもわかるように、 誰でも出来そうなことでも、奥が深く、仕事に役立ち美しさや喜びをともなうもの がいいのだ。ただし、大事なのは徹底することであり、どんなときでも全員で徹底 し続けるところに難しさがあり、意味があるのだ。

3,姿勢を正す
 「姿勢を正す」ことも意識改革につながる。姿勢は、すべての作業の基本であり、 やる気の表れ、心の表れである。
 商談でお客様と向かい合うとき、繁忙期に煩雑な作業に追われるとき、営業で初 めての会社を訪問するとき、動も静も姿勢は基本である。また、次の作業(動き) に移るときも無駄なく効率よい動きをするには、正しい姿勢が必要である。良い姿 勢からダラダラした動きは生まれないし、姿勢が良いと頭もスッキリとして仕事が はかどる。仕事がはかどらないからダラダラするのか、ダラダラするから仕事が片 づかないのか、どちらかはわかり得ないが、いずれにしてもスッキリとした姿勢で ダラダラしているというのは、あまり聞いたことがない。
 目に見えない「やる気」や「心」を具体的に教えるのは難しいが、「姿勢」を正す のは、幼稚園でも教えている。「姿勢」という“型”が出来上がれば、意識は自然に 形作られていくのだ。補足として、良い姿勢から感じの悪い挨拶や返事が出るとい うのも、あまり聞かない。小学校の参観日でも、返事の出来ない生徒、挨拶の声が 聞こえない生徒というのは、往々にして机に座っている姿勢が悪いものである。学 校の先生や親が「姿勢を正しなさい!」と叱るのは、姿勢を正すという形式上のこ とだけでなく、「姿勢を正して、やる気を出しなさい」という精神の部分を問うてい るのだ。

4,腹が座るということ
 紹介先との商談を100%決めてくるという営業マンがいる。何が違うのか?と聴 くと、「腹がすわっているのだ」という。何があろうと軸がぶれない、動じないとい うことであろう。
 高次元的には、「腹」とは「下丹田」のことで下腹である。人一倍の苦労を乗り越 えた人は腹が座り下丹田のチャクラ(宇宙の情報が入るスポット)が開くという。 形式的に見ても、背筋を伸ばすポイントは背骨ではなく下腹である。下腹に力が入 って、すっと伸びていれば、自然に背筋は伸びて良い姿勢になるのである。腹が座 るという“型”が、意識も仕事も支配しているのだ。

[F&Aレポート 2006年2月10・20日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2006年1月20・31日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

 節分・立春・椿祭が終わり、窓に差し込む光の感覚が変化してきました。春に 向けて大きく動き出したという感じですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
 時間が経つのは本当に早いもので、1ヶ月はあっという間に過ぎてしまいます ね。月3回という目標をなかなか達成できないのは、本当に情けないことです。
 さて、前回のメールで今年は大変なことが起きそうだと書いたら、本当に起き てしまいました。昨年の耐震偽装問題から、ライブドアから始まり、米国産牛肉 輸入、防衛施設庁の談合、皇室典範と、ホントに続けていろんなことが。皆様ご 自身、または周りの方で影響を受けた方はいらっしゃらないでしょうか?なぜこ んなことになったのか?小泉政権が春頃に終わってしまうという話もありますし、 政治情勢も混沌としてまいりました。
 そういった事件の中でも、ライブドア事件は、法律という国の根本的な問題に つながるものです。「法に触れなければ何をしてもよい」という堀江社長の発想 は、日本の法曹関係者も否定できない部分ですが(それは新聞等のコメントでも 取り上げられています)、英米法を根底に置く証券取引法の発想はこれと異なっ ています(だから堀江社長は証券取引法違反で逮捕されたわけです)。英米法は、 判例の集積で法体系を構築していますから、初めに成文法(条文)ありきではな く、実態から問題点を検討し、現時点での解決を図らなければならないわけです。
 問題は、今の日本でどこまで英米法の考え方を貫くことが出来るか?という点 ですが、これはもっと深く考えなければならないことですし、そもそもそのよう なレベルで日本人がライブドアの問題や、国家や法律の体系の問題を考えている かというと、疑問に感じる部分です。法律に携わっている方でも難解な問題を、 私たちが理解し、習得して行かなければならないわけですから、本当に大変です が、時代の転換点を迎えて、無視することはできないのでしょうね。
 ところで、民主党のメール事件は、戦法を間違ったようですね。メール自体は 本物のようですから、前回選挙同様、小泉さんの方がけんかには強いことを改め て立証したと言うことのようです(ああ出ることしか自民党はできなかったとも いえます)。ただ、この事件は自民党に深く根付いていますから、もう少し先を 見る必要がありそうです。
 インフルエンザ流行など厳しい季節が続きます。皆様どうぞご自愛くださいま せ。

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PDF F&Aレポート1月31日号[PDF版]「日本通貨論 進んでいた日本の通貨・金融シ ステム」InternetDisk

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人は「企業」を表現する 「見た目」を磨く
 松下幸之助氏の名言「企業は人なり」の通り、企業イメージに経営者が占める要素は 非常に大きい。その言動や外見により企業のイメージは容易につくられてしまう。松下 電器といえば松下幸之助、本田技研といえば本田宗一郎というイメージが今でも核とな っていることを考えると、その意味はよくわかるだろう。しかし、経営者全員がそのよ うなカリスマ性を持っているとは限らず、持っていたとしても存分に発揮することは難 しい。だからこそ、自らを「演出」する力が必要なのだ。つまり「見た目」の要素が非 常に重要になるのだ。
中小企業においても、日本と世界の垣根は失われつつある。突然どんな大舞台が待っ ているかわからない。どこに出ても恥ずかしくないビジネススキルと堂々とした振る舞 いや、それなりの「見た目」が必要ないとは言えない時代なのだ。

  1. 3V「ビジョン(vision)、ビジュアル(visua l)、バリュー(value)」の実現
  2. 自分の強みを発見する
  3. メッセージを明確にする
  4. 経営状態、業績を前向きにする

1,3V「ビジョン(vision)、ビジュアル(visual)、バリュー(value)」の実現
 「ビジョン(vision)」を持ち、「ビジュアル(visual)」として表現し、「バリュー(value)」 自分の価値を高めることができる。この3V が実現できる人は、自らの信念、哲学を明 確に持ち、適切に表現できる人である。
 現在の企業で成功できる条件に“ビジョナリー・カンパニー”(日経BP 社)というも のがある。スタンフォード大学教授ジェームズ・C・コリンズ氏らによれば、その定義 は「基本理念を維持しながら変化を促進する、時代を超えて永続する真に卓越した企業。 ビジョンを持っている企業、未来思考の企業、業界で卓越した企業、同業他社の間で広 く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与え続けた企業」ということになるらしい。
 3V を実現するためには、“企業”をすべて“人物”に置き換えれば良い。「基本理念を 維持しながら変化を促進する、時代を超えて永続する真に卓越した人物。ビジョンを持 っている人物、未来思考の人物、業界で卓越した人物、同業他社の間で広く尊敬を集め、 大きなインパクトを世界に与え続けた人物」
 信念があり未来への展望を持つ人、これは見た目で明らかにそれとすぐわかる。情熱 や活気が自ずと表れてくるからである。見るからに“自信なさそうな”人に、誰が喜ん でついていくだろうか。これは「見た目」の基本中の基本である。

2,自分の強みを発見する
 「リーダーは、自分自身の人生で経験した生の素材をもとに、自分のスタイルをつく らなければならない」そう語るのは、前ニューヨーク市長ジュリアーニ氏である。「生の 素材」は、言い替えれば、自分が持っているものの中に真の素材を見つけることができ れば、その自信がオモテに出る、従ってイキイキとした自分のスタイルをつくることが できる。
 たとえば、現在に至るまで、どこで(学校、会社、部署)どんな経験を積んだか?営 業経験、海外赴任、スポーツや音楽に熱中したこと、挑戦してきたこと、信条・・・バ ックグラウンドを振り返ってみると、自分の強みが見えてくる。この強みこそ自分のイ メージをデザインするための基礎となるのだ。まず、自分の強みを振り返る。そして未来 の自分をイメージし、現在の自分と目指す自分のギャップは何か考える。そのギャップ を埋めるために必要なものを具体的にする。これが「自分ならではの見た目」をつくる ヒントになる。

3,メッセージを明確にする
 ターゲットと目的に合わせて伝えるべきメッセージを明確にすること。例えば、伝え たいのは、積極性なのか慎重性なのか。強さなのか柔らかさなのか。熱さか冷たさか。 伝えたい相手は社内か社外か。社外であれば取引先か一般ユーザーか。撮影であれば用 途は何なのか。会社案内かホームページ用か。広告かマスコミ取材か。また、伝える場 は、講演、プレゼン、社内会議、商談、イベント、パーティーなどのどれなのか。メッ セージが絞り込まれていないと、伝えたい話の意図も伝わらないのである。
 時と場所に合わせてメッセージを明確にし、発信する「見た目」を最も効果的にする 服装、色遣い、マナー、話し方などをマネジメントしていくということである。

4,経営状態、業績を前向きにする
 好調の時は、意識せずとも表情は生き生きし、言葉の歯切れも良い。しかし、どんな 企業も、個人も常に絶好調というわけにはいかない。自分自身も業績もスランプにある ときは、マイナスの心理が働き、姿勢が悪く表情や声のトーンも暗くなりがちだが、そ んなときこそ努めて前向きに行動し明るい「見た目」を表現するべきである。人は、明 るい方向、エネルギーを感じる人に惹かれるからだ。働く人間が生き生きと見えれば、 ましてそれが会社で注目されている人物ならば、企業のイメージ自体をも前向きに変換 できる。自分の信念に自信を持ち「見た目」を磨いていけば、自分自身が企業に変革を 起こす事も可能なのだから。


日本通貨論 進んでいた日本の通貨・金融システム
 大河ドラマ「巧名が辻」では、山内一豊の妻・千代が嫁入りのときに父から「夫の一大事に使いなさ い」と手渡された十両で駿馬を買い、その駿馬が織田信長の目に留まり、これを機に一豊は、数々の巧 名を立てるきっかけをつかんだと言われています。まさしく「内助の功」と唱われるその十両ですが、 今回は江戸時代の通貨精度を振り返ってみましょう。宿輪純一著 「日本通貨論」より面白い記事を見 つけましたので、抜粋してお届けします。

1,江戸時代の通貨制度
 江戸時代には金(小判 両)と銀(匁もんめ)と銅(銭 文)の三通貨から成り立っ ていました。幕府が通貨発行権を独占しており、17 世紀初頭の公定相場では、一応、1 両=50 匁=4000 文となっていましたが、実際には三通貨の相場は「変動」していまし た。つまり、国内で変動相場制のメカニズムが存在していたのです。それは、需給によ って、日々変動していました。たとえば、金の産出量が増えると、金が余り気味になり、 銀に対する金の値段が安くなりました。また、金には大判と小判がありましたが、大判 は記念品(贈答品)で実際に使われることはあまりありませんでした。さらに、銀は(こ れが特徴なのですが)「重量(重さ)」が単位として使われました。これを秤量通貨とも いいます。そのため、重さの単位である「匁」が使われているのです。(1 匁=3.75 グラ ム)。銀は貴金属としての価値を重視したモノサシとしての役割を果たしていました。
 また、「東国の金遣い・西国の銀遣い」という言葉がありますが、江戸を中心とした東 日本では「金」が主として使われ、大坂(大阪)を中心とした西日本では「銀」が主と して使用されました。これは東日本には佐渡金山などの金の産地が比較的多く、西日本 では石見銀山など銀の産地が比較的多かったからです。また、西日本では昔からの貿易 で、中国やスペインから入ってきた銀貨の影響もありました。このとき、たとえば江戸 に行く人が増えてくると、江戸で使う金の必要性が増し(金を購入し)、金の値段が変動 して高くなることもありました。

2,先物市場も保有した先進的な市場システム
 金・銀・銅の他に「米」もまた通貨としての役割を果たしていました。よく武士の年 俸は「何万石」などといって米の量(出来高)で決められていました。そして、大名は 「蔵」に米などを保管して、おカネ(貨幣)が必要になると換金して使っていました。
 江戸時代は大坂が天下の台所として、日本の経済の中心地でした。大名は自国で得た 米を「(米)市場」がある大坂で「銀」に換金していました。その銀を必要に応じて、金 に交換していました。そのため多くの「両替屋(現在の銀行)」が存在していました(両 替屋は預金も受け入れていました)。さらにはその両替屋は大坂北浜の「金相場立会所」 で売買を行い、相場を決めていました。また、米を銀に換金するときに、大坂堂島の米 市場では需給をベースにして米価が決まりました。しかも、米の「先物取引」まで行わ れていました。先物市場はシカゴ先物取引所が1865 年に設立され米国では最古ですが、 世界では大坂が最古で1730 年代にはすでに商品先物取引所が存在していました。

3,補助通貨:銅貨(銭)と藩札
 17 世紀の徳川家光の時代には、銅貨「寛永通宝」が大量に発行され、その後も発行し 続けます。「寛永通宝」はその後も銅貨の代表となりました。あの「銭形平次」が投げて いたのもこの寛永通宝です。穴が開いているので紐を通して保管・輸送が可能でした。
 寛永通宝は交易にも使用され、良質の鋳造物であるため海外でも評価が高く、そのこ ろアジア諸国でも使用されていました。ちなみに「ベトナム」の通貨「ドン」の語源は 寛永通宝の「銅」ともいわれています。また、17 世紀後半になると、藩の領内で通用す る「藩札」という紙幣が「藩(大名)」から発行されました。公式には幕府が禁止してい たにもかかわらず、幕末までに大量発行されました。これは現在でいうと、「地域通貨」 や「地方債」のようなものです。これは藩(大名)の信用がベースになったもので、現 在の紙幣の先祖に当たります。

4,先進的であった江戸時代の金融システム
 18 世紀になると、本格的に日本は通貨経済の時代を迎えます。立会所を活用した「三 通貨変動相場制」主要生産物である米をベースにした「先物取引市場」、質の良い「金属 鋳造技術」、そして、地方分権化の象徴ともいえる信用をベースとした「藩札」というシ ステムは、非常に高度化・洗練されたもので、明治3 年まで続きました。江戸時代の通 貨・金融システムは、現在の日本のそれよりも良いメカニズムということができるかも しれません。
 このシステムは江戸と大坂というふたつの中心都市によって成り立ち、支えていた制 度ということができます。18 世紀の江戸時代においては、江戸と大坂は隆盛を極めまし た。江戸は100 万人を突破し世界最大の都市になり、大坂もロンドンやパリと同程度の 40 万人を超える人口を擁しました。江戸は政治・消費都市であり、大坂は供給・商業都 市で、経済・金融の中心ともいうこともできました。金をベースにした東日本と、銀を ベースにした西日本の経済規模の比率は4 対6 ともいわれており大坂の経済力が分かり ます。
 日本には「古来」より通貨・金融において「世界最先端」の洗練された仕組み(システム)がありまし た。このように、歴史と素地がある日本は金融面でももっと「自信」を持ってもよいのではないでしょ うか。

[F&Aレポート 2006年1月20・31日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2006年1月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

 新しい年が始まって、もう10日以上経ってしまいました。いかがお過ごしで しょうか?今年は厳しい寒さの中での新年ということで、印象に残る年になるよ うな気がします。マーケットでは、好調だった株式も、ドル安一辺倒だった為替 も、日によって大きくぶれ始めました。何か春に向けて大きな変化がありそうで す。
 昨年の話ですが、本当に久しぶりに手で手紙を書きました。緊張しましたが、 すごく新鮮でした。考えてみると、パソコンの前で文章を考えることが当たり前 になっています。文章は考えますが、漢字は勝手に出てくる。引用の仕方や意味 も、ネットでサッと調べる。長い文章を短くするのも簡単簡単。ちょっとおかし な表現だなと思えば、DELキーを押す。しかし、手で書く手紙ではそんな訳に は行きません。全体の構成を初めにまとめ、一字一字かなり神経を使いながら書 き進めます。
 それと同じような話ですが、温泉に行くときに財布からクレジットカードを抜 いて出かけるようにしています。そのカードを持ち歩かないという行動が、すご く不安なのです。別に高額な買い物をするわけでもないし、もっていく方が危な いにもかかわらず(貴重品入れが安全ではありません。皆さんもご注意下さい)。
 こんな風に、知らない間に私たちの生活感と言ったものが変化しているんです ね。変化という言葉が世の中にはあふれていますが、一体どんな変化なのか?な ぜ変化しているのか?変化してどうなるのか?その変化は私たちにどんな影響を 与えているのか(変化の結果私たちは幸せになれるのか)?しっかり考えること が必要だと思います。
 世の中が変化しているからという理由で、日本のいろいろな制度が変化してい ます。しかし、その変化がどのようなもので、なぜ変化していて、そのゴールが どのようなもので、それは私たちにとって良いものか悪いものか?な〜んにも議 論されていないような気がします。しっかりした目的を持って変化していくこと はとても大切なことだと思いますが、何となく流されることほど怖いことはあり ません。変化という言葉に騙されないよう、しっかり考えていきたいものです。
 お正月から難しい話になってしまいました。でも、1年の計は元旦にありです。 今年1年が皆様にとって素晴らしい年になりますように。

PDF F&Aレポート1月10日号[PDF版]「2006 年 初春 織田直子のワードワールド」InternetDisk

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〜特集〜2006 年 初春 織田直子のワードワールド
「型」を変えると意識が変わる。行動が変わり、運気が変わる。

 武道、茶道、華道など、「道」の名が付く日本ならではの稽古事には共通する教えがあ る。それは「型を覚えることから入り、その心を知る」ということである。形式美の中 に真があり、真を追求すれば形式美になるということであろうか、ここでの「道」の探 求はさておき、「型」を整えることにより意識が変わり、意識が変わると行動が変わり、 運気が変わると仮定するなら、「型」を変えれば運気が変わるということになる。
 地球規模の気象変化に凶悪事件・・・。外に答えを求めると迷うことが多い中、迷わ ず自らの中に答えを見出す為に、今日から「型」を変えて強運を手にしよう!

1,恋愛もどき。「どんな話」をするかではなく「どんな風に話す」か。
2,人は「挨拶の言葉」よりも、「挨拶した後の表情」が心に残るもの
3,扉を閉める、椅子を納める、靴を揃える・・・
オマケ【新春こぼれ話】

1,恋愛もどき。「どんな話」をするかではなく「どんな風に話す」か。
「メラビアンの法則」というものがある。人の印象の93%は非言語的要素(話の中身 以外)で形成されるというものだ。話の内容そのものよりも、どんな風に話しているか の方が人は印象に残る。例えば、講師の話は非常に内容の濃い素晴らしいものであるに も関わらず、受講者の大半が眠っているようなケースがある。この場合恐らく、講演終 了後、受講者の心には講演内容や講師についての印象よりも「眠ってしまった」という ことだけが心に残る講演会になるのだろう。また、新年の訓辞や抱負を語るのに一生懸 命、言葉や構成を考えても、三日も経てば話の90%は忘れられてしまっていると思った 方がいい。聞き手が覚えているのは、スピーチしている人の態度や、迫力、雰囲気など である。原稿を見ながら、一字一句間違えず流ちょうに演説しても、伝わるのは「原稿 を見ながら間違えずに喋った」という程度のものでしかないことも多い。相手の気持ち をそらさずに、どこまで自分の話に惹き付け関心を持たせるか?また、自分は何を印象 づけたいのか、自分の「型」をイメージしてから、話の内容を組み立てると着地点が変 わる。恋愛と同じである。相手の興味をひく話題から、最も自分が伝えたいことまで、 相手が理解し共感できるように話を盛り上げていく。相手が理解した分だけが、伝えた ことになるのだ。

2,人は「挨拶の言葉」よりも、「挨拶した後の表情」が心に残るもの
朝の「おはよう」の挨拶、「ありがとう」を言うとき、「また会 いましょう」と別れの言葉を交わすとき、人の心に残るのは、交 わした言葉そのものよりも寧ろ、相手の表情である。頭を下げて お辞儀をしたときも同様で、印象に残るのは、頭を上げたときの 目線やしぐさ、笑顔である。いくら美辞麗句を並べようと、深々 と頭を下げようと、相手の目をしっかり見て、目で敬意や親しみを語るような表情がな ければ、誠意も伝わらないし、信頼も得られない。言葉と表情のギャップが、かえって 不信感を抱かせることもある。
 よく職場で「挨拶励行」などという目標が掲げられていることがあるが、挨拶ができ ているか、いないかをチェックするときは、単に言葉や態度だけを見るのでなく「挨拶 をした後の表情」をチェックすることが肝要である。挨拶は、挨拶の為にあるものでな く、信頼の絆を確認したり深めたりするものであり、明日へのビジネスの突破口を開く ものでもあるのだ。「挨拶の後の表情」ここに挨拶の大きな意味があり「型」があること をことを忘れてはならない。

3,扉を閉める、椅子を納める、靴を揃える・・・
ささいなことである。それをしなければ、大変な事態になるということではない。と、 思っている人は今年から改めた方がいい。大変な事態なのだ。自分自身のツキを逃がし ているのだ。開けた扉は最後まできっちり閉める。自分の靴は自分で整える。隣りに人 の靴が散らかっていれば、ついでに整える。座った椅子は元に戻す。当たり前のことで ある。当たり前のことだからやって当然。やらなければ、なんとなく気持ちが悪い。こ の「なんとなく気持ちが悪い」という“気の流れ”が体感できないほど、感覚が鈍ってい ること自体がツキを逃していることになるのだ。感覚が鈍くなっているから、ツキを逃 していることにも気付かない。気付かないうちに、どんどん小さなツキが逃げて、気付 けば大きなツキが逃げているのだ。
 「型」から変えよう。自然に強運が巡ってくる。戌年は強運なり。すべての人達にと って。

【新春こぼれ話】その昔、夢を売買する商売があった。北条政子は、妹が見た「高い山に登り、 太陽と月を左右の袂に入れ、蜜柑の実が三つついた枝を髪に挿した」という夢を買い取って、 尼将軍にまで上りつめたという。(曽我物語)日本書紀には、見た夢によって、次に 即位する天皇を選んだという例もある。古代から夢は神のお告げで、将来を暗示する ものと信じられていた。「心の底から信じた夢は、必ず叶う」という信念と、夢のお 告げを自分のものにできた確信が、未来への夢を実現する原動力になったのであろう。

[F&Aレポート 2006年1月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2005年12月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
 ただ今、12月31日20時になろうとしているところです。皆さん、どんな 時間をお過ごしでしょうか?私は、事務所で年内に投函するための年賀状に悪戦 苦闘しているところです。いつものことなのですが、お客様以外の年賀状は今年 最後の大イベントです。
 さて、皆様にとって今年はどんな1年だったのでしょうか?私どもにとっては 大変な変化の年でした。年賀状にも書きましたが、3月に突然事務所移転の話が でて、6月に実行。9月はふじわらフォーラムの開催。10月は日税連公開研究 討論会で720名の全国の税理士さんや大学教授を前に発表。ホントに良い経験 でしたが、とにかく疲れました。年齢的にも、体のことを真剣に考えておかない といけないなとつくづく感じました。
 国の内外でも、変化の年でした。変化とは、良いことばかりではありません。 自分や社会にとって悪いこともあります。変化に単純に追随してしまうと、大変 なことになる可能性もあります。そこをしっかり読み取って、変化に上手に対応 しておくことが必要です。例えば、株式市場については、またまたバブルの可能 性があります。金先物でも年末に大変なことが起きたようですが、世の中の雰囲 気だけで意思決定していると、世の中と一緒に暴落に付き合う可能性もあります。 知識と情報と判断力、しっかりもって行動してください。
 来年以降もいろんな変化が出てくると思います。その変化を正確に読み取って まいりましょう。
 皆様にとって、2006年が素晴らしい年であることをお祈り申し上げており ます。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。共に元気にがんばりましょ う!さ、残る年賀状作りにがんばんなくちゃ。

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〜特集〜2005 年エフ・アンド・エイ・レポートダイジェスト版
 2005 年「今年の漢字」は「愛」。かつてのクラブ・アクエリアス講師で清水寺 森清範貫主が、大改修を行った ばかりの清水寺奥の院ひのき舞台で発表された。「愛」の必要性と「愛」の欠乏を実感した一年だという。「愛」を 選んだ理由には、紀宮様のご成婚をはじめ、純愛ブームや芸能スポーツ界での結婚ラッシュなどに身近な「愛」を 育む大切さを感じると同時に、世界規模で展開された大型ハリケーンや地震等の被災者救済劇や、21世紀最初の 万博「愛・地球博」が大成功したことに世界規模の「愛」を育む大切さを感じたことが挙げられている。さて、我 が身の一年はいかに?反響のあったアクエリアスレポートで1年を振り返ってみたい。

1,「思考力格差の時代」知的に怠惰な人間は生き残れない
 世界経済が激変し、これまでの経済原則の全く通じない新しい経済が生まれてきた。この新しい経済、新しく発 見された大陸には陸地がまったくない。いわば「見えない大陸」である。新しい経済、見えない大陸でビジネスマ ンに求められる思考回路とはどのようなものか。それは端的に言えば「論理的思考」、論理的に考える頭脳回路であ る。当たり前と思うかもしれないが、日本企業では往々にして過去の成功体験や経験則に基づく「思い込み」がビ ジネスを支配している。しかし、これからの時代、論理的思考がなければビジネスマンとして生き残ることができ ない。そればかりか、この世の中で何が起こっているのかさえ理解できないであろう。逆に論理的な思考回路さえ 持っていれば、必ず新しい世界でも臆せず戦っていくことができる。新しい時代は、思考力によって極めて大きな 格差が生まれる時代、すなわち「思考力格差」の時代なのだ。だからこそ、日頃から思考力を鍛錬し、論理的思考 という武器を手にする必要があるのだ。(大前研一著「考える技術」)

2,「運命の法則」幸運は意図的に招き寄せることができる
 「チームが夢中になって仕事をしていると、突然スイッチが劇的に切り替わることがある。その状態になると、 怖いものなしになる。どんな困難な局面でも必ず突破口が開かれる。新しいアイデアが湯水のようにわき、必要な 人と絶好のタイミングで会い、プロジェクトを成功させるのに必要な技術や部品が出現する。まさに好運の波に乗 った状態になる」と、著者は1999 年初回生産の3,000 体はインターネット販売のみにも関わらず、20 分で完売。 その後も注文が相次ぎ、最終的に15,000 体を売り上げた「AIBO」の開発プロジェクトを振り返る。「燃える集団」 状態になると、わずかな共時性にも敏感になり、突拍子もないような話が次々に成功してしまうのだ。では、どう やったら「燃える集団」状態に誘導できるのか?目標も人材も揃い、志気も高い・・しかし、それだけでは「燃え る集団」にはなれない。理性をはずし、高揚した気分に持っていける強力なプロジェクトリーダーが必要なのだ・・・。

3,「ズッコケ三人組」世代を越えたロングセラー
 作者 那須正幹(なす・まさもと)氏は1942 年6 月6 日、広島市己斐(こい)本町で生まれ、3 歳のときに爆 心地から3キロの自宅で被爆している。小学校6年生の頃から昆虫採集に熱中し、昆虫の研究をしたい一心で島根 農科大学林学科に入学するが、卒業後はサラリーマンになり26 歳のときに児童文学を手がけるようになった。「ズ ッコケ三人組」が誕生した頃は30 代だったのに今や60 歳を過ぎている。第1 巻から第50 巻までを手がける約30 年間、時代の変化やトピックスを取り入れながら三人組を活躍させてきた。また、興味のあることや、面白そうだ と思ったことは、徹底的に取材をして作品に反映させた。「ダイエット」「プチ家出」など、現代を象徴するテーマ が、「ズッコケワールド」に翻訳されているが、そこには、作品の向こう側で目を輝かせて「三人組」を読み、ズッ コケを疑似体験する子供達と真摯に向き合う作者のプロ根性が伺える。興味のあることへの探求心と、この真摯な 姿こそが、長年にわたり子供達の心を惹き付けてやまない要因の一つになっていることは間違いないだろう。

4,「人を辞めさせない会社」”人”と”運”
 「一度入社したら、なんとかその人間の良さを引き出すようにして、とにかく辞めさせないというのが、我が社 の基本方針なんです。どんなダメな奴でもどこかいいところがあるでしょう?せっかく縁あってうちの会社に来た んだから、社内全員で一人一人を辞めさせないように取り組んでいくんです。そうしていくうちに社員の気持ちが 一つになっていくし、会社の中の雰囲気もものすごく良くなるんです」。ある中小企業の代表者が話してくれた。そ の会社は数年前に3人の仲間と立ち上げた水産業の会社だが、今や社員は15名、アルバイトやパートを含めると 20名程度になる。不況にあえぐ企業が多い中で右肩上がりに順調に伸びている。ひと昔、ふた昔前の日本なら当 たり前の話だったかもしれないが、「能力主義」「リストラ」などで人を斬ることが珍しくなくなった昨今では珍し く新鮮な話を聴いたような気がした。

5,「未来の風」万博にそよぐもの ロボット編」
 今から154 年前、時は産業革命の真っ盛り。1851 年、人類史上初の国際博覧会がロンドンで開かれた。この第 一回ロンドン万博では、輪転機、目覚まし時計、シャワー付きの風呂などの生活をより豊かにするための製品が未 来の産物として披露された。より具体的な未来の生活シーンが人々の消費意欲や勤労意欲をかきたてた。農業化社 会から工業化社会へ移り変わろうとするこの時代、万博は来るべき理想の世界の縮図を一日で疑似体験できるショ ーケースとしての意味合いがあった。新しいテクノロジーの波とそれに呼応して変化する社会を見事にイベントと して成立させたのが「万国博覧会」だった。

6,「ものづくり企業ブランドの再生」MDI(マツダ・デジタル革新)がもたらしたもの
 マツダは新車のデザイン開発から、設計・実験・生産準備までを共通のデジタルデータで結び、開発者の機能性 と生産性の設計を同時並行で行う「MDI」の構築を、1996 年から進めてきた。1996 年といえば、マツダの業績は どの数字を見ても惨憺たるものであったが、このデジタル革新は順調に成果を上げ、2004 年4 月からは計画の第 2段階である「MDI-U」をスタートさせている。どうやってデジタル革新を推し進めてきたのか?マツダ 第二IT ソリューション部 滝口哲郎部長のレクチャーをもとに、MDI プロジェクトの経緯を紹介しながら、国内自動車メ ーカー五番手の“平凡な企業”の復活劇をレポート!

7,「環境先進技術」建物が丸ごと新しい環境技術と素材の実験場 長久手日本館編
 愛・地球博は、テーマ「自然の叡智」の通り、随所に自然環境に配慮したシステムが取り入れてある。それらは、 物見遊山程度に万博を歩いて回るだけでは気付かない部分も多いが、「万博バックヤードツアー」に参加すると脱温 暖化社会に向けた取り組みや自然環境の保全、3R とよばれるリデュース、リユース、リサイクル等の徹底配慮が見 えてくる。4 月28 日クラブ・アクエリアスで主催した環境技術バックヤードツアーから。

8,「中国のおしゃれ市場は2010 年に1388 億元」
 中国で女性の「おしゃれ」に関わるマーケットが急拡大している。「おしゃれ」に関するマーケットとは、具体的 にはエステティック・サロンや美容院、化粧品、ブランド衣料、ジュエリーなどの市場を指す。これらの商品・サ ービスのうち統計によって把握できるものについてみると、まず化粧品の売上高は増加基調が鮮明となっており、 2003 年は前年比+17.9%増の207 億元となった。最近では、20 代の女性を中心にデパートや通信販売で外国製の 高級化粧品を購入する動きも出てきているという。
 一方、指輪やネックレスなど各種のジュエリーについては、これまで個人の金輸入に関して厳しい制限があった ことなどから2001 年頃までは需要が低迷していたが、その後、規制が徐々に緩和されてきたことを受けて2003 年の売上高は前年比+11.7%増の163 億元と急増している。女性が身につけるジュエリーの種類も多様化しつつあ り、たとえば広東省や広州市などでは、歯にアクセサリーをつけるいわゆる「ティース・ジュエリー」が流行して いる。

9,「2005 開運の島」久米島
 楽天イーグルスのキャンプ地としても有名になった久米島。久米島町長(高里久三氏)は、久米島が楽天イーグ ルスのキャンプ地となるまで、何度も本土にわたり球団側と折衝を続け、草野球場といわれた仲里野球場をプロ球 団の練習場に相応しい設備を整えたのは町長の政治生命を賭けた熱意だった。昨年11 月にキャンプ地が決定して わずか3ヶ月で、球場を両翼100 メートルまで拡張、赤土がむき出しだった内野グラウンドには本土から運んだ黒 土を入れ、外野は緑の芝生に張り替えた。さらにブルペンや打撃練習場の新設、スタンドの設置などの全面的な改 修をキャンプインに間に合わせた。日本の最南端に近い小さな島をもっと活性化させ、人とモノが行き交う21 世 紀の大交易時代を築きたい、その夢を語る町長の目は昼間に出会った久米島の子供達と同じ目をしていた。久米島 には昔から「子供には教育を残せ」という躾の方針があるという。

10,「“生きている”瞬間を生み出すコンサート」佐渡裕氏率いるシエナ・ウインド・オーケストラ
指揮者は経営者、楽団員は社員。素晴らしい腕を持った演奏者がいても、その腕を引き出せるかどうかは指揮者 の腕にかかっている。優秀な技術が集まっていても、必ずしもいいモノが生まれるとは限らないのだ。
 指揮者がいかに曲を解釈し一人一人の力を引き出し、全体として素晴らしい音楽を表現するか?その仕事は経営 者のそれと大差はない。日々の仕事は生ものである。今日良かったから明日も良いという保証はない。その瞬間瞬 間が生きているのである。

11,「経営者は”声”が大事」声は変えられる 磨きをかけよう 毎日数分のトレーニング
 ある著名な方の講演会に行った。経営にまつわる色々な話をされる中で「経営者は声が大事」という話があった。 「どんな立派ないい話をしても、声が通らないと相手に伝わらない。説得力がない。経営者は人を動かすのが仕事 なんだから声をもっと鍛えるべきだ」と。日頃、意識することもなく自らの呼吸に任せて発しているのが現状だが、 毎日、数分のトレーニングと、心がけで声は確実に変わるというのだ。

12,「産廃からブランド豚育成物語」7000 坪のファームに広がる循環、共生、子供達の夢
 広島市の北部、太田川源流に近い山間部に、知る人ぞ知るファームがある。このファームは、平成13 年、広島 市の一産業廃棄物業者の「食品リサイクル」という概念から誕生した養豚場であるが、豚だけでなく、ダチョウや ヤギ、ポニー、クジャク、ガチョウ、犬といった様々な動物達がゆったりと飼育され、近隣の幼稚園や小学生の子 供達が遠足で遊びに来るふれあい動物園の要素もある。養豚にはまったくの素人であった一産廃企業が、この土地 で鹿児島の黒豚にも並ぶ卸価格で取引される程の広島初のブランド豚育成に成功し、ファームを事業として展開し ていくには、さまざまな物語があり企業理念があった。そして、この新しい取り組みは有望なビジネスプランとし て、2004 年日本商工会議所青年部ビジネスプランコンテストで準優勝に当たる会頭賞に輝いた。

13,「世界遺産高野山の神秘を訪ねて」
 「弘法大師という偉いお坊さんが、真言宗のお寺、金剛峰寺を建てた」と、歴史の時間に教わったのはいつだっ たか。何かとても神秘的で、由緒あるところらしいという、その程度の知識で参拝の機会を頂いたというのも、高 野山の懐の広さなのではないかと思う。また、昨年、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された高野 山は、日々大勢の信者や四国四十八カ所の霊場を巡ったお遍路さんたちをはじめ世界中から参詣客が集まっている。

14,「21 世紀の超健康法」植物マルチミネラル 20 世紀のビタミンから、21 世紀のミネラル栄養学へ
 例えば、胃ガンが発見される。薬や手術等、何らかの処置によりガン細胞を撲滅させる、もしくは摘出する。そ の後、しばらくして別の部位にガン細胞が見つかる。再度除去する。しかし、このようなケースの場合は、ガン細 胞が再発した時点で、同時に複数以上の箇所に転移していることが多いという。このことから、胃、肝臓、腎臓と いった各臓器レベルで健康を考えるのではなく、人間の身体全体の細胞レベルで健康を捉えるのが重要であること がわかる。人間の身体にある約60 兆個の細胞のひとつひとつが正常に機能し、常に良いバランスを保っているこ とが健康のキーになるのだ。
 ミネラルは微量栄養素であるが、人間の身体が正常に機能するのに、絶対不可欠で、尚かつ体内では合成できな い(外から取り入れるしかない)極めて重要な栄養素である。今、健康の先駆者達の関心はミネラルに向けられて いる。

15,「内部統制の時代」他山の石?危機管理としての内部統制
 「危機管理って何ですか?」と、皆さんに問いかけたら答えていただけますか?たいていは「あーリスクねー、 危ないことかなぁ」という風に言われる。リスクというものを簡単にご説明すると、最近、日経新聞にもよく出て いるんですけれども“内部統制”ってことなんです。「内部統制を確立しよう」と。これがね、危機管理の一弧にな るんですよね。リスクが内部統制の弧、構築なんです。昔は「リスクは見えないもの」って単純に判断していれば 良かったんですけど、見えないもの触ったらお金かかって大変です。だから、どこから触ろうかってことになるん ですが、リスクにはミドルクライシスとクライシスがあるんです。日本は単純明快で、危機全てが危機なんですけ れどね、アメリカでは分けてます。
 クライシスっていう言葉、最近メジャーになってきたのでご存じの方も多いと思うんですけど、何がミドルで何 がクライシスなのか?まず1つめはマスコミなんですよ。マスコミに情報が流れちゃった、次に行政、司法、それ からステークホルダー。それらに情報が漏れたのものをクライシスと言います。((株)エス・ピー・ネットワーク 常務取締役 関根光郎氏 クラブ・アクエリアス講演録より)

16,「社員の躾」“お辞儀”編
 「お見送りにも企業のしつけ度を感じます。企業訪問すると、受付でその企業の元気度が分かります。社員の方 と話していると企業の文化度を感じます。社長とお話しすると、その会社の哲学が見えてきます・・・○○本社で ××社長とお話したときのお茶出しは感銘しました・・・」
 “座布団の正面見分ける”という松下幸之助のエピソードに「100 人に一人、1000 人に一人に本物を見抜く人が いる。その目を恐れて仕事をしなければ本物にはなれない」という話があるが、先に紹介した便りには「本物を見 抜く目」らしきものが感じられる。

[F&Aレポート 2005年12月30日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2005年12月10・20日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

 12月に入ったとたん続いている厳しい寒さはまだまだ続きそうな気配です。 ホワイトクリスマスなんて気分も寒くってそれどころじゃないってことありませ んか?
 とにかくいろんなことがあって気が付けば今年ももう終わりです。23日が祝 日になって、今日の普通にお仕事という方も多いのではないでしょうか?そんな 朝刊のトップ記事は、「日本の人口初の自然減」です。今年1年間で、出生者の 数が死亡者の数を上回り、その差が1万人になったとか。これは日本の歴史の中 でもとても大きな出来事です。
 私が東京から愛媛に帰ってきたのは20年前。帰ってきて思ったことは、街を 歩いてる人が少ないと言うことでした。東京から来たお客様も同じようなことを お話になります。さびしいなと思っていたのですが、それでも内子の山の中みた いなところに仕事で行ったときに、子どもが遊んでいる姿を見るとホッとしまし た。子どもって世の中の活力ですね。それから、大人が子どもから学ぶことって 少なくありません。これは私自身の経験です。ちゃんと子育てしたか?と言われ ると、反論は難しいですが、しかしそれなりには学んだつもりです。
 子どもが主体・客体になる事件が連続していますが、これも世の中が子どもか ら学ぶ豊かな感性がなくなってしまったと一言で片付けることもできるかもしれ ません。
 そして、姉歯事件にはあんなに敏感に反応した官僚や政治家も、この件に関し ては音なしの構えのようです。マンション問題は、責任に関わるが、少子化の問 題は関係ないということでしょうか?しかし、根が深いのは少子化ですね。
 いずれにしても大きな転機。これから自分たちの生活がどうなるのか?どうし ていくのか?しっかり考えるにはよい時期だと思います。  前回、続きは次回としましたが、続いているような内容ということにさせてく ださい。
 厳しい寒さの中、皆様どうぞ暖かくしてお過ごし下さい。

PDF F&Aレポート12月10日号[PDF版]「セルフマネジメント力『いかにふるまうか』」InternetDisk

PDF F&Aレポート12月20日号[PDF版]「クレーム処理に見る言葉選びとその配慮InternetDisk

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〜特集〜セルフマネジメント力「いかにふるまうか」
自分自身の動作をマネジメントする

1,ビジネスはプレゼンの連続
 ビジネスはプレゼンテーションの連続である。なぜなら、ビジネスは自分のアイ デアやプランを相手に正確に伝え、説得し、同意を得る事の繰り返しだからだ。顧 客に企画を通すのもプレゼンなら社内稟議を通すのもプレゼン。仕入先に値段交渉 するのもプレゼン、名刺交換で初対面の相手に自分に興味をもってもらうのもプレ ゼンである。つまり、プレゼンの成功なくしてビジネスの成功もないとも言えるの だ。

2,動作のカギになるもの
例えば訪問先で椅子を勧められ座るとき、あるいは椅子に座った姿勢から立ち上 がるとき、「ドッコイショ」と言わんばかりに、上体を大きく揺らす人。これはとてもスマー トな動きとは言えない。無駄な動きが多いのだ。
 スピーチをするときも同じ。まず名前を言ってから礼をする。資料があれば該当 するページを開き話始める。終わりは、感謝の言葉を述べてお辞儀をする。さらに、 お辞儀をしたときは、下げた頭が二秒間静止している。
 何かをしながらの動作ではなく、一つ一つの動きが切り離され完結していること により、メリハリがつき洗練されたイメージとして聴衆に受け入れられる。よって 「この人の話には説得力がある!」という印象になるのだ。

3,ビジネス上のしぐさで最も注意すべきものは?
女性の場合、“手”は動くアクセサリーと言われるが、ビジネス上でも“手”の動 きは最も重要で注意すべき仕草である。例えば、ある企画で上司と打ち合わせをす る際、上司がずっと腕組みを したままでいると・・・。一生懸命、上司を説得して いる部下はどんな風に感じるだろうか?実は、腕組みをするという行為は、心理学 的には「拒絶、自己防衛、自分の中に閉じこもる」行為とされている。つまり「相 手を拒否する動作」なのである。あなたを信頼していないというメッセージを与え ていることなる。
 手による動作は、相手への信頼を言葉を超えて語る。日本ではテーブルの上に手 を置いて話すと行儀悪いと思われるが、欧米では、普通は手を相手に見えるところ に置く。これは相手に対して「あなたを信用しています」「あなたを受け入れます」 というメッセージになるのだ。仮に欧米人と商談する際に手をテーブルの下に置い たら「テーブルの下で盗聴器を取り付けているのでは?」「銃を持っているのではな いか」など、思いも寄らない警戒をされることがある。それぐらい手の動作は重要 なのである。

4,手を効果的に使って自己表現する
 欧米でも日本でもプレゼンに説得力を増すため、手を使った動作はさまざまに研 究されている。例えば欧米のエグゼクティブの中には、片方の手を軽くズボンのポ ケットにかけてスピーチする人を見かけるが、日本の有名なコンサルタントの中に も、同様に片方の手をポケットにかけるようにして講演する人がいる。これもスピ ーチの内容に合わせた効果的な“手”の演出というわけだ。2003 年7 月、東京で 開かれた大手IT 企業を集めたセミナーで、日本のグローバル企業CEO は、数千人 のビジネスパーソンを前に基調講演をした。
 そのときCEO は、片手をズボンのポケットに軽く手をかけ、ゆったりと歩きな がら登壇した。ダークスーツにモノトーンで統一されたスタイルはとても印象的で、 スピーチの効果を一層高めていた。これも効果的な“手”であった。

5,予め“手”を考える
 プレゼンに慣れない多くの人は何を話そうか、どんな風に話そうかと、話しの内 容に大半の時間と労力を割くのだが、プレゼンの上手い人は、服装のスタイル、歩 き方、手をどこに置くかなど、一見プレゼンの本筋には関係ないような事柄につい て、予め考え準備をしているものなのだ。ちなみに専門家は「テーマ、内容、講演 者のキャラクター、聴衆により、壇上を歩いたり、時折ポケットに手を添えたりす ると余裕を感じさせ、リラックスした雰囲気を演出するのに効果的」と言う。
 一方で注意したいのは、トラブル発生の時である。プレゼン途中にスクリーンの 文字化けが起こるとか、商談中にお茶をこぼすとか、話が行き詰まるなど、まさに “手”に汗握るシーンである。落ち着いて対処しているつもりでも手元に感情が出 てしまうことがある。手は緊張度のバロメーターともいわれ、感情がダイレクトに 伝わりやすい部位なのである。だから、緊張したときなどは落ち着かない手の動き には気をつけたい、逆に手の動きがまったくないという人も緊張しているように見 える。応接室で商談中、手をずっと自分の足の上に置いたままで居ると、いつまで も硬い空気がほぐれない。といっても、あまり手の動きが多いと落ち着かない印象 になる。加減を考えて効果的な“手”の演出をしたい。


〜特集〜クレーム処理に見る言葉選びとその配慮

「はぁ、そうですか、すみませんでした」と、電話口で頭を下げる営業マン。端からみ ていれば、一方的に顧客にクレームを突きつけられ気の毒にすら思ってしまうが、何と も頼りない応対に、あれでは顧客を怒らせても仕方ないかと感じるのは否めない。本人 は丁重に詫びているつもりなのだろうが、まったく伝わっていないように見える。聞け ば1日一件はクレームを受けるという。クレーマー(クレームを言う人)の気持ちを和 らげ、こちらの言い分も聞いてもらえるように、会話を展開していく言葉の選び方とい うものがあるのでは?ということで、今回は「クレーム処理の言葉選びとその配慮」を 特集したい。

1,詫び言葉にバリエーションを持たせて
 こちらが本気でクレームを言っているときに、何を言っても「申 し訳ございません」の一点張りではあまりに単調な対応で、本当に 自分の言い分を理解してもらっているのかどうか疑わしくなるし、 バカにされているのではないかという余計な疑念まで湧いてきて、 一層腹立たしくなることがある。まさに「火に油を注ぐ」状態であ る。
 単純に考えても詫び言葉と言えば、「申し訳ございません」「ご迷 惑をおかけしました」「失礼いたしました」「ごめんなさい」等、いくつか思い浮かぶ。 状況に応じて言葉を選びながら、いかに相手の気持ちを汲み、言い分を聴くかが勝負で ある。相手が何に対して怒っているのか、何が不快だったのか、なぜ、わざわざクレー ムを言わせるほどの事態になったのか、「詳しく知りたい」という気持ちがあれば、それ なりの言葉が出てくるはずである。

2,相手の言い分を「とにかく聴く」ということ
 「人は一つの口に、二つの耳を持つ。人の話は、自分が話す2倍は聴くように」と言 われるが、人の話を最後までよく聴くというのは、案外出来ていない人が多い。基本的 に人間は、自分の話を聴いてもらいたいし、人の話は聴きたくない生き物なのだ。
 まだ相手が最後まで言ってないのに、途中でこちらの話を挟む「それは○○という意 味だよ」。または、勝手に話の行き先を判断して結論を出すという、話を端折ってしまう タイプの人は意外に多い。それも頭のいい人に限って、つい先読みしすぎて話を簡単に 片づけたがることが多い。その結果、相手の話を端折った上、自分サイドの事情をつら つらと述べることになるのだ。自分サイドの事情とは、いくら正しくてもクレーマーか ら見れば言い訳に過ぎないこともある。クレームの多くは、些細なことが原因であるこ とが多い。クレーマーは、困った事態を解決して欲しいというだけでなく、自分がどん なに辛い状況かを聴いてもらいたいという気持ちも多分にあることを忘れてはならない。

3,復唱は安心と信頼を与える
 「約束の時間なのに、まだ担当者が来ない!」と言われ、咄嗟に「迷惑をかけている」 →「怒らせている」→「早く解決しなければ」という心理から、「申し訳ありません。す ぐに担当者を走らせます!」と、言ってしまいそうになるのを、あえてぐっとこらえて 「申し訳ありません。担当者が約束の時間に来ないんですね?」と復唱することで、事 実が明らかになり、クレーマーも言い分を受け止めてもらった手応えを感じることがで きる。さらに「昨日の約束では、5時と言われたのに1時間過ぎてもまだ何の連絡もな くて・・・」と、クレーマーにとっては「詳細に聴いてもらえる」、クレームを受けた側 には「詳細を聴き出すことができる」という双方に機会を得ることができる。「5時の約 束なのにまだ連絡がないんですね。それは大変失礼いたしました」と、さらに復唱し詫 び言葉を入れる。そんな会話が続けば多少たりともコミュニーケーションを図ることが でき、こちらが詫びる姿勢も伝えることができる。

4,クレーム処理は待たせないのが原則
 「その件でしたら、お調べしてから折り返しお電話します」という言葉は、一見正し いように聞こえるが、いつまで待たせるのかを明示した方がなお良い。「5分後にお電話 します」「遅くとも3時までには、担当者からお電話差し上げます」と、時間を伝えれば、 同じ待ち時間でもクレーマーも納得をせざるを得ない。もちろん、その時間内に連絡で きそうにない場合は、事前にその旨の一報を入れることは言うまでもない。
 また、あえて普段よりもゆっくりとした口調で間を取るように話した方が、クレーマ ーの話のペースに飲み込まれず、こちらの主導で話を展開できる可能性が高い。
 おどおどせず、毅然とした態度で誠心誠意対応することを心がけ、それがクレーマー に伝わるように工夫をすることが、次へのビジネスの信頼を築くことになる。

5,1分のフォロー電話が明日へのビジネスに繋がる
 クレーム処理が終わり一件落着とばかりに放っておくのではなく、数日後に「その後 いかがですか?先日はご迷惑をおかけしました」と、1分の電話を入れることが肝要で ある。この電話が、クレームを財産とできるかただのクレームで終わらせるかの明暗を 分けるのである。

[F&Aレポート 2005年12月10・20日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2005年11月30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
 体が暖かい気候に慣れたまま、冬が進行していて、体がおかしくなってしまい そうです。うちの事務所も、みんなが体のバランスを崩してしまいそうな状態で すが、皆様のところはいかがでしょうか?
 今、日本中を揺るがしているのは、千葉県市川市の建築設計事務所によるマン ションなどの構造計算書の偽造事件ですね(それに関係ないように、株価は15, 000円にタッチしましたが)。マンション業界からマンションに住んでいる人 までたくさんの人にショックを与えているのではないでしょうか?ちなみに、そ れで国土交通省は、建築士の能力を定期的に確認するなどの新たな対策が必要と 判断したそうです。つまり、制度を改善すればこんな問題は起きないと考えてい るのでしょうか?たぶん違いますね。このような対策を発表しないと、国土交通 省が叩かれる。それだけのことのような気がします(政治家も耐震構造の保険に ついて所得控除を設けようと同じ発想ですね)。そもそも、建築士の能力ってど うやって計るのでしょうか?税理士の能力は?弁護士は?裁判官は?警察官は? 会社員は?あなたは?????人の能力なんてそんなに簡単に計れないと思うん ですね。皆さんはどう思われますか?
 そもそもの問題は、このような欠陥マンションがなぜ建てられるようになった か?です。建築士もテレビのインタビューで話していましたが、安く早くを追求 した結果のようです。では、なぜ安くなければいけなかったのか?早くしなけれ ばいけなかったのか?です。それは、競争に勝たなければいけなかったからです ね。他の会社よりも安く早く広いマンションを建築しなければ、売れない。だか らよほどのことでなければ目をつぶる。多分そうなのではないかと思われます。 これが競争社会の結末ですね。
 偶然ですが、前回のメルマガで、ある方が紹介いただいた本(「拒否できない日本」関岡英之著 文芸春秋社刊)も、建築士でもある筆者が書いた本です。この本は、米国追従の日本の現状を取り上げたものですが、最近になって、同じような論調が広がってきたような感じがします。
 話は少し変わりますが、スカイマークエアラインズは、徳島や鹿児島と東京を結ぶ便を廃止して、札幌便に振り替えることになりました。これも競争社会の結末です。スカイマークエアラインズと言えば、安い運賃で伸びてきた会社ですが、別にボランティアで安いわけじゃない。競争に勝つために安いわけです。競争ですから、鹿児島便が60%の搭乗率でも、札幌便が70%なら会社は当然こっちを選択します。飛行機会社は公器だから、地方の足として・・・みたいなことは関係ない。HPを見ても、まず大事なのは効率的な経営です(http://www.skymark.co.jp/company/inverstor/051012press.pdf)。社会の皆様への奉仕ではない。
 マンション業者も航空会社も、あくまでも自分たちの利益を求めることが大切。 最終利益は顧客の利益ではない。そのために自由でなくてはいけないという発想 ですね。従来は、一定の自由を認めながら規制をかけて、基準を守ろうとしてき たわけですが、規制緩和はこの考え方を「改革」しようとしている訳です。しか し、各自が自由に自分の利益を追求すれば、結果的に世の中は良くなると言うの がアダムスミスであり、自由主義論者の主張です。
 本当でしょうか?皆さんはどう思われますか?
 長くなりましたし、非常に深い問題です。この続きは次回にしましょうか。

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〜特集〜「運命はあるのですか?」

 「自分には他に夢があったのに、それとは全く違う会社に就職してしまった」という相談 をある会社の若い従業員から持ちかけられた。「運命なら頑張っても無駄?」「運命は変えら れるのだろうか?」こんな質問を真に受けたら、貴方ならどう応えるだろうか?「運命があ るのか、ないのか」という議論よりも、どう説得すれば、本人を向かうべき仕事に全力投球 させることができるのか?若者の迷いを断ち切る語彙や、人生経験を持たない我が身の至ら なさを痛感しつつ、松下幸之助語録の助け等を借りることにした。今回は久しぶりに、古く て新しい松下幸之助翁の「運命と仕事」についての論に触れてみたい。果たして若者の悩み は晴れたのだろうか・・・?

1,運命と観ずる覚悟を
 新入社員として会社に入ったら、まず何よりも“自分がこの会社に入社したのは、運命で ある”というような覚悟を持つことが大切だと思います。
 学校を卒業し、就職するにあたっては、それぞれに、親や先生、先輩などにも相談しつつ、 自分の志望の会社を決めたと思います。また、会社は会社で“こういう人が必要だ”という ことで採用を決定します。ですから、会社に入るということは、そういう双方の意志が一致 したことによって実現したものだ、ということができると思うのです。
 けれども、その会社で働きたい人でも、色々な事情でその願いが叶わない場合があります。 また、会社が“こういう人にぜひ来て欲しい”と思っても、それがその人の都合でできない ということもあるわけです。そういうことからすると会社へ入るということは、その会社を 志望する人と会社の双方の意志によって決定されると言えるわけですが、ただそれだけでは なく、そこに双方の意志が一致し結ばれるような、目に見えない大きな力が働いているとい えるのではないでしょうか。それは一つの運命であるとも考えられます。
 新入社員として会社に入り、何十年か勤務する。その過程においては、色々な困難にぶつ かったり、煩悶したりすることも起こるでしょう。責任ある地位につき部下を持つと、そう した問題は特に増えてくるでしょう。しかし、それはお互いが仕事をしていく上で避けられ ないことです。問題は、そのときにどの程度悩み、どの程度苦しむかということです。その 程度によっては、悩みや困難に負けてしまう人もあれば、克服してさらに成長していく人も います。そのときに、ここに述べたような一つの運命観というか、覚悟を持っていることが、 非常に重要だと思うのです。“これはオレの運命なんだ”という覚悟があればこそ、度胸がす わり、力強い信念が生まれてきます。そうなれば、どんな困難に出会ってもそれを切り抜け ていくことができる、いわゆる大事に臨んで役に立つ人になれるのではないでしょうか。大 事に役立つ人になれるかどうかのカギは、まず会社に入ったことの意味をどう考えるか、い いかえれば、それを運命と観ずることができるかどうかというところにあると思うのです。

2,運命に光彩を
 人生というものは、そのほとんどの部分がいわゆる運命というものによって決められてい るのではないか。自分のこれまでの歩みを振り返ってみるとき、どうもそんな気がしてなり ません。たとえば、なぜ自分は電気器具の製造販売という仕事を始めたのか、そして幸いに もこの道である程度成功し今日の姿を築くことができたのか、ということ一つを考えてみて も、どうもそうなるようになっていた、そういう運命が与えられていたという以外に説明が つかないように思うのです。
 というのは、世の中には、優れた人がたくさんいます。体が丈夫、高い学問がある、素質、 才能にめぐまれている等々、そのどれ一つとっても、私はずっと下の方だと思います。にも かかわらず、今日多少なりとも事業において成功している面があるとすれば、それはそうな ることが運命として与えられていたと考えざるを得ません。自分なりにその時々で一生懸命 であったことは事実ですが、それが、人並み以上の勉強であったり特別の努力であったとは、 とても思えないのです。しかし、そうはいっても今思えばこういうことはいえるのかもしれ ません。それは、運命というものを自分なりに、あるいは自然のうちに前向きに生かそうと してきたということです。家が貧しかったために、丁稚奉公に出されたけど、そのおかげで 幼いうちから商人としての躾を受け、世の辛酸を多少なりとも味わうことができた。生来体 が弱かったがために、人に頼んで仕事をしてもらうことを覚えた。学歴がなかったので常に 人に教えを請うことができた。あるいは何度かの九死に一生を得た経験を通じて、自分の強 運を信じることができた。こういうように、自分に与えられた運命をいわば積極的に受けと め、それを知らず識らず前向きに生かしてきたからこそ、そこに一つの道がひらけてきたと も考えられます。いうまでもなく、運命というものは、人間の意志や力を超えたものです。 私たちが、人間に生まれたこと自体、自分の意志でそうなったのではありませんし、男に生 まれるか、女に生まれるか、また日本人に生まれるか、外国人に生まれるかといったことも、 選べることではありません。あるいは、どういう天分、素質をもって生まれるかといったこ とについても、いわば天命によって決まっており、自分ではどうすることもできません。
 しかし、それでは、運命として与えられたものについては、すべてまったく人間の力では どうにもならないのかといえば、必ずしもそうではないと思います。
 そこが運命の実に妙味のあるところだと思いますが、みずからの意識や行動のいかんによ っては、与えられた運命の現れ方が異なってくる。つまり、「人事を尽くして天命を待つ」と いう言葉がありますが、お互いの生き方次第で、自分に与えられた運命をより生かし、活用 できる余地が残されているとも考えられます。私のこれまでの生き方も、知らず識らずのう ちに、ある程度自分に与えられた運命を生かすものであった、とはいえるような気がするの です。では、その人間に残された余地とはどれぐらいなのでしょうか。これまでの人間のさ まざまな姿から私なりに察知すると、10 パーセントから20 パーセントぐらいはあるように思います。 つまり、この10 パーセントなり20 パーセントの人事の尽くし方いかんによって、みずからの80 パ ーセントなり90 パーセントの運命がどれだけ光彩を放つものになるか決まってくるということです。
 とすれば、お互いにとって大事なのは、その10 パーセントなり20 パーセントなりの範囲において 精一杯の人事を尽くすということだと思います。自分の人生にはどうにもならない面がある けれども、その範囲において、こうだという信念をもって、自分自身の道を力強く歩むよう 努めていく。そうすれば、たとえ大きな成功を収めても有頂天にはならないし、失敗しても 失望短落しない。あくまで坦々とした大道を行くがごとく、処世の道を歩んでいくことがで きるのではないかと思うのです。(社員心得帖、人生心得帖 松下幸之助 PHP 文庫より抜 粋)

[F&Aレポート 2005年11月30日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2005年11月20日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.
 この10日ほどで日本列島は急に冬に向かって動き出したようです。暖房器具 を急いで出してこられた方も多いのではないでしょうか?振り返ってみると、初 秋から突然冬の到来のようなものですから、人の体もたまったものではないです ね。おかげで、私もここ数日少し風邪気味です。皆様はいかがお過ごしでしょう か?
 私どもの事務所では、年末調整の事務が少しずつ始まりました。冬の到来は、 1年の終わりが近づいていると言うことでもあります。ホントに早いものですね。
 まだ少し早いですが、皆さんにとって今年1年はどんな年だったでしょうか? 今年1年を振り返って感じることですが、私には「真実が一体何なのか?」とい うことがますますわかりにくくなった1年ではないかと思います。
 たとえば、郵政改革で言えば、いまだに郵政改革がどのように進むのかわかり ませんし、それが日本にとってプラスなのかマイナスなのか?具体的なものはほ とんど明示されていません。今は医療改革がマスコミで大きく取り上げられてい ますが、これも同じ。構造改革も同じ。靖国神社参拝問題も同じ。靖国神社の問 題を取り上げるのは勇気がいりますが、問題は、単に戦没者や戦争に対する責任 だけでなく、外交と言う広い分野に視点が移っていることに気がつかないとしか 思えないような発言をする首脳。世の中で起きるさまざまな事件にも、いろいろ な背景があるのでしょうが、そんな複雑な側面がマスコミから報道されることは まずありません。いつも申し上げるように、人間は非常に複雑な存在ですから、 それを単純化してしまうことは大変危険です。基本的に謙虚であるから得られる ことってあると思います。まして、ドイツやイギリスの総選挙の結果を見ても、 世界が非常に複雑に変化している中で、物事を単純化してしまうのは大変危険で す。まだ単純化しているという意識があればよいのですが、能力不足で単純化し た発想から抜けることが出来なければ、最悪です。ホントに、世の中がポワ〜ン としてきている感じがするのですが、皆さんはどう思われますか?

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〜特集〜Aquarius 織田直子の子供の為の話し方教室

1,上手く喋れなかった自分自身の体験より
 今となっては嘘のようですが、私は小さい頃とても引っ込み思案で、おとなしいタ イプの子供でした。自分の中で常に空想の世界を広げているような子供だったので誰 かと話をする必要はなかったのです。だから、人前で話をするのはもちろん、授業中 に手を挙げることさえ恥ずかしくて苦手でした。自分の意見や考えを堂々と発表する なんてとんでもない話しだと思っていました。その証拠に、小学校1 年生のときは、 担任の女の先生に「暗い子供」と指摘され、私の両親はずいぶん悩んだようです。思 春期を過ぎて大人になっても、ずっと苦手意識は消えませんでした。「自分は話すのが 下手」「生まれつき声がよくないのだ」と。でも、人は変わるんです。環境と努力で。 生まれつき口下手とか、声が悪いということはありません。それは、思いこみに過ぎ ないのです。的確な訓練さえすれば、誰でも声に磨きがかかり、話し方や言葉の選び 方が変わってきます。そして、小さな自信が芽生えてきます。その「小さな自信」が 少しずつ物事への積極性をもたらします。そうすると、自分と自分に関わる世界がど んどん変化してくるのです。
 苦手意識を引きずったまま大人になるより、子供のうち に矯正し、正しい日本語やきれいな音に触れていれば、少 しは自分自身を表現でき相手の話もよく聴くようになり、 毎日が楽しくなるのではないかと思い、日本ではまだ数少 ない「子供の為の話し方教室」を開きました。

2,いかにも自信のなさそうな自己紹介
 Aquarius 子供の為の話し方教室では、一人一人の個性や癖を見抜くために、あるい は1 回でも多く人前に立ち、人前に立つことに慣れるために、自己紹介をしてもらい ます。
 小学生の教室では、みんなの前に立って、名前と学校、学年、趣味を述べるだけで すが、「自己紹介をしてもらいます」と言った瞬間から会場には緊張の空気が流れ始め ます。順番に前に出るにも関わらず、自分の番が回ってきてもなかなか席を立とうと しない子供や、前に出ても言葉が出てこない子供、話をしながら視線が定まらず声が だんだん小さくなる子供、話終わるやいなや、速攻で我が席に戻ろうとする子供等さ まざまです。

3,声を出すということ
 声優や俳優、アナウンサーといった特殊な職種につかない限り、正しい発声や滑舌 訓練を受けることはないので、ほとんどの人が我流で発音し話しています。英語なら 正しいth の発音、R の発音といった教育があるのに、なぜ日本語にはそのような指導 がなされないのでしょう?
 とにかく、正しく声を出すということがどういうことなの かやってみようということで、「アエイウエオアオ」の練習 から始めてみました。
 お腹から声を出す練習や、会場の一番後ろまで聞こえる ためには、どのくらいの大きさの声でなければならないか を考えながら訓練します。
 また、自分で声の玉をイメージして、口から言葉が出る瞬間にポンと遠くへ玉をな げ入れるような感覚をもって一音一音発していきます。ある程度、声が出るようにな ったら、自分の声をよく聴いて、さらに訓練します。一音ずつの音の塊が言葉になっ ていることに気づくと、「ありがとう」という挨拶も「あ・り・が・と・う」という一 音ずつの連なりであることを意識できるようになります。その頃には、声がずいぶん 出るようになっています。また、発声練習だけでも身体が熱くなってくることを体験 します。「声を出すとはこういうことだったんだ」と、あらためて認識できるようにな るのです。

4,再度、自己紹介
 面白可笑しい、けれど真剣な早口言葉の訓練や、学校の国語の教科書を使った朗読 をしながら、「声の響き」や「自分が発する音」に聞き耳をたてます。実は、話をして いる自分の声を聴きながら喋るというのは、相当な訓練が必要なのですが、子供達は すぐにチャレンジしてくれます。そして、少しずつ、しゃべり方や音に対する細やか な感性が身に付いてきます。
 今の音はヘンだったとか、よく聞き取れない音だったとか、遊び感覚で捉えていき ます。ここまでくると、声をしっかり出すことに抵抗はなくなっているので、再度自 己紹介をします。1回目の自己紹介と同じことを話すのですが、気持ちに余裕がある ので、1回目よりも堂々と喋ることができます。内容をアレンジする子供もいたりし ます。聴く側も、声の響きを聴きわける耳ができているので、注意して聴くことがで きようになっています。
 「せっかく上手に自己紹介できるようになったから、ついでにお辞儀もきれいにす るといいね。手は前で組んで、視線はまっすぐ前を見て、会場の一番後ろの人を見渡 すようにするといいよ。最初に返事をして前に出るところから、自己紹介は始まって いるよ」とさらにステップアップを促しますが、自信をつけた子供達は、なんでもど んどん吸収してくれます。最後にはみんな、それぞれ個性の光る、立派な自己紹介が 出来るようになりました。
 この「小さな自信」が次は何を吸収してくれるのかとても楽しみです。子供達は、 心なしか来たときよりも、生き生きとして帰っていくように見えました。

[F&Aレポート 2005年11月20日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2005年11月10日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

 この原稿のオリジナルは、高松から帰るバスの中で書いています。高速道路か ら周りの風景を見れば、ついこの前まで冷房をつけていたような気がするのです が、四国の木々もやっと色づき始めたようです。
 高松では、藤原直哉先生が開発した「雪祭り」というリーダーシップゲームを 行ないました(昨年松山で実施した夏祭りの冬バージョンです。ちなみに、私は 村人という役割です)。参加者の中からチームを作ってリーダーシップを体験す るものなのですが、初めて会った人たちが、ワアワア言いながら、ゲームに取り 組み、ハッとあるモノに気づく瞬間を見ていると、営業成績や試験の結果だけで 計ることが出来ない人間の奥深さのようなものを感じることができます。ご希望 の方がいらっしゃれば松山で再度開催することも可能です。その場合は是非お申 し出下さい。15名ほど集まればOKです。
 このバスの中にもいろいろな人がいます。性別も年齢も職業も当然考えている こともみんな違います。でも、同じ時代を生きて、そして死んでいく仲間です。 個人的なつながりは何にもありませんが、バスに乗り合わせたという縁を共有し ています。今という時代を一緒に生きてる、たぶんそれだけのつながりです。し かし、仲間だと思えば、優しく出来るし、相手のことを思いやれるのではないで しょうか?家族や友達との自家用車での移動ではこのような実感を持ち合わせる ことは出来ません。今、そんな仲間がいることをみんな忘れているようです。そ して、仲間がいるという心の安らぎは、日々のストレスを解消するためにもとて も大切なものだと思うのですが。
 たまにはバスや電車で移動するのも悪くないものだと思いました。木枯らしも 吹いて、旅行シーズンは少し過ぎてしまいましたが、移動している途中そんなこ と考えてみませんか?

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〜特集〜内部統制の時代 1
〜特集〜社員の躾 “お辞儀”編

 県の職員で管理職を務める方からこんな便りを頂いた。「お見送りにも企業のしつ け度を感じます。企業訪問すると、受付でその企業の元気度が分かります。社員の 方と話していると企業の文化度を感じます。社長とお話しすると、その会社の哲学 が見えてきます・・・○○本社で××社長とお話したときのお茶出しは感銘しまし た・・・」
 “座布団の正面見分ける”という松下幸之助のエピソードに「100 人に一人、1000 人に一人に本物を見抜く人がいる。その目を恐れて仕事をしなければ本物にはなれ ない」という話があるが、先に紹介した便りには「本物を見抜く目」らしきものが 感じられる。
 今回は、“お辞儀”に焦点を当て“お辞儀ワールド”を考えてみたい。

1,一目おかれるお辞儀
 お辞儀の歴史は、非常に長く『魏志倭人伝』にも日本人のお辞儀の習慣について 書かれている。また、埴輪にもお辞儀をしているものがある。日本では、相手に敬 意を示す時、謝罪をする時、御礼を言う時、いずれも心を表現したいときには、必 ず意識して、あるいは無意識のうちに頭を下げる。電話で相手に自分の姿が見えな い場合でも、お辞儀をしながら話をすることがよくあるが、これは心が態度(形) を作っていることの典型的な例であろう。
 しかし、よく観察してみると美しいお辞儀とそうでなくお辞儀、堂々としたお辞 儀や、貧弱な印象を与えるお辞儀等、色々あることに気付く。
 企業研修でお辞儀の練習をすると、「いい大人になって今さらお辞儀もないだろ う」という声が必ずあるが、彼等はだいたいお辞儀を教えてもらう機会もなければ、 教えて欲しいと切り出すのも気が引けるのである。また、それ以前に、お辞儀の善 し悪しなど考えたこともないのである。ビジネスでもプライベートでも一目おかれ 品格が漂うお辞儀という世界があることを知らないのだ。

2,エグゼクティブのお辞儀は美しい
 「ゆったりした動作には威厳がつきまとう」とは、フランスの作家バルザックの 言葉だが、人の動きから、その人がどういう人かをイメージすることがある。一瞬 の行動に人となりや、品格、教養まで伺えることがある。お辞儀も例外ではない。 たとえば、お世話になった人に御礼を言って頭を下げるとき「有り難うございま した」の言葉と共に、何度も何度も浅いお辞儀を繰り返す人がいる。気持ちはわか るが、端から見ていてもどうもサマにならないし、深い敬意が伝わらない。また、 ぺこぺこと頭を下げている姿には威厳がなく、重みが感じられないのである。そん な光景を目にするたびに、ふと思うことがある。「皇室の方々なら、総理大臣ならど ういうお辞儀をするだろうか?」と。飛躍したイメージかもしれないが、明らかに 「ぺこぺこお辞儀」とは違うことが簡単に想像できる。
 舞台で挨拶をするときのお辞儀、軽く一礼をする会釈、背筋が伸びて、時間が一 瞬止まったように、きっちりとお辞儀が出来る人は、何も語らなくてもその動作だ けで「あっ、この人は何か違う」と感じさせるものがある。そんなお辞儀を社員全 員が身につけたら、どんなに素晴らしい組織になるだろうか?

3,仕事の出来る人の動作は無駄がなく美しい
 昔の人と比べて今の日本人のお辞儀が美しくないとするなら、その原因の一つは 着物を着なくなったことにあるのではないだろうか。着物を着て帯を締めると、背 筋が伸びて気持ちもシャキッとする。着物を着て身も心もまっすぐに伸びた状態で 頭を下げれば、自ずと背筋の曲がらない美しいお辞儀になる。しかも着物を着てい るせいで動作も幾分かゆったりして、威厳や優雅さが漂うのだ。美しい動作には無 駄がない。例えば、仕事の速いウエイトレスの動きには無駄がなくそつがない。余 計な物音も立てない。オフィス業務も同様で、仕事が出来る人は、自分の仕事を静 かにこなし、いつの間にか成果が出ているが、仕事の出来ない人は、無駄な動きが 多く、動作の合間にたてる音が大きい。一度、そんな目で社内の動きを見てみるの も面白い。

4,美しいお辞儀の基本
 背筋を伸ばした正しい姿勢から、吐く息と共に腰を折り、呼吸を止めた状態で頭 を下げて、一瞬動きが止まり、吸う息と共に頭を上げる。頭を上げたところで、再 度相手の目を見る。大ざっぱに言うと、これが一連のお辞儀の動きである。マナー ブックには、頭を下げる角度がにより、会釈(15 度)、敬礼(30 度)、最敬礼(45 度)などがあるが、そんなことを覚えるよりも、テンポと間を考慮し、お辞儀とい う動きを際だたせるタイミングを身につけた方が、よほど感じのいい美しいお辞儀 になる。頭を下げる角度は、自然に心が導いてくれるからである。お辞儀をしてい る行為を相手に特に印象づけたい場合は、「語先後礼」という手法で、先に挨拶をし た後で頭を下げると、一つ一つの行為が確立されて、きっちりとした感じになる。 たかがお辞儀、されどお辞儀。美しいお辞儀の世界は奥が深い。

[F&Aレポート 2005年11月10日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2005年10月10・20・30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

 早いもので、10月も終わり。今年も2ヶ月を残すのみとなりました。やっと 秋も深まってきた10月ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
 私にとっての10月は、大きなことが3つ。
 1つは、25日の誕生日で、47歳になってしまったこと。人生の半分を間違 いなく超えてしまいましたね。
 2つ目は、日本税理士会連合会公開研究討論会というビッグイベントが松山で 開催され、全国から720名の税理士が参加しました。私の役割は、四国会の発 表のまとめ役。比較的暗いイメージの税理士さんなんですが、それをまとめて、 大成功しました。どんな組織でもそうですが、全国的に四国の位置づけって大体 上位になることはありませんね。でも、参加したみんなががんばって、本当にレ ベルの高い発表を行なうことができました。リーダーシップの実践でした。

翌日の愛媛新聞の記事InternetDisk
当日の風景はこんな感じ。みんな充実した顔をしてるでしょ?InternetDisk

 で、3つ目はあまり嬉しくない話題。その討論会が大成功した翌々日。肩の凝 りをほぐしに、市内のある温泉に行ったのですが、出てきた時に貴重品入れから 出した財布を見ると、「アレッ?カードが2枚ない?」。現金はあるし、他の カードも残っている。でもナンカおかしいと思い、急ぎ自宅に帰り、カード会社 に電話。警察にも届け出て、「それって盗難じゃなくてただの紛失かも?」と言 われ、「そりゃ確かに討論会の打上げで酔っ払ってたからな」と思い、素直に遺 失届けを出した翌日です。ナント!!25万円近い金額が不正使用されていると の連絡がカード会社から。それも、温泉を出て自宅に帰るまでの30分の間にで す。いやはや・・・。すぐに気がついて、電話したので、不正使用であることが すぐにわかりましたが、のんびり構えてたらどうなったことか?問題の貴重品入 れは、100円硬貨が後で戻ってくる方式のもので、どこにでもあるものです。 最初警察に届け出たときは、そこで盗難にあったとさえ思わなかったのですが、 使われた時間でハッとしました。今やクレジットカードなしでは生活できない毎 日ですが、皆さんもご用心下さい。取られたこと自体わからないこともあります。
 ちょっと長くなりました。さて、11月はどんな月になるんでしょうか?

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■2005年10月10日号■
〜特集〜日常言葉の立居振舞 ハートをつかみ自分を活かす

 話し方の技術を学べばすぐに話が上手くなるというものではない。テクニックは、 流ちょうに話すための役に立つことはあるが、それだけでは「人を動かす」話し方に はならないのである。結局、「話しは人」で、その人柄がしのばれ、思いやりの感じら れる言葉が相手の心を打ち「人を動かす」のである。どんな話であれ、口先や小手先 のワザだけでは相手の心には伝わらない。言葉にこそ、自分と相手を高める魂の触れ 合いがあるのである。

1,「ハイ」という返事に人柄が出る
タクシーに乗って目的地を告げると、「ハイ」という返事をしてくれると運転手と、 そうでない運転手がいる。返事がない場合は、こちらの意図が伝わっているのかど うか、聞こえなかったのか等、気を揉むことになり終始乗り心地も悪くなる。
 仕事でも、会話の途中で「ハイ」「いいえ」とテンポよく返事が返ってくると、自 分の話を確実に受け止めてもらっているという安心感が生まれ気分良く話せる。こ れを「話し上手」、「聞き上手」というのであろう。「ハイ」の代わりに「うん」とか 「フン」で済ませる人もいるが、どこかルーズな印象を与えてしまうのは否めない。
 相づちを打つ「ハイ」、何かを頼まれたときの「ハイ」、名前を呼ばれたときの「ハ イ」。返事は短いたった一言でありながら、相手を喜ばせる返事と失望させる返事が ある。いつも輝くような返事、美しい声の返事、楽しい返事。そんな返事には自ず と「きっと人柄も良いのだろう」と思わせる力がある。

2,説得のコツは「相手の話を2倍聴く」
 新車を1ヶ月に70 台も売るという、あるトップセールスマンの話によると、説得 のコツは「客に7語らせて、自分は3しかしゃべらないこと」という。客は自分の話 を気持ちよく聞いてくれるセールスマンから喜んで車を買うのだ。日頃から「相手の 話を2倍聞くこと」をモットーにしているというそのセールスマンの話は、聞き上手 になることが、説得の一番の近道になり、同時に話上手になることを証明している。
 勘違いをして、最初から最後まで自分一人でしゃべったり、他人の話を横取りして 話の腰を折ってしまうのはもってのほかである。例えば「先日○○先生の講演を聴き に行きました」という相手に対し、「それは良かったですね。大勢の人が集まっていま したか?」と受ければ話は展開するが、自己中心になって「私も実は○○先生にお招 きいただいて・・」と答えてしまうと、話の中心は相手ではなくなってしまうのであ る。常に一人称(私、私共)でしか、話を進められない人は要注意である。

3,端折り言葉を使わない
 「どうも・・・(ありがとうございます)」「失礼ですが・・・(お名前をお聴かせい ただけますか)」「こちらこそ・・・(いつもお世話になっております)」「(○○名指人)・・・ は、おりません」。いずれも、電話等で前後の会話から意味は通じる言葉なので、省略 した言い方をよく耳にする言葉である。本来気持ちを表す( )の中の言葉を言わ ないのか言えないのかはわからないが、活字にして並べてみても、ひどく殺風景な愛 想のない物言いになっていることに気付く。言葉は使わなければ身に付かないので、 省略した言い方が常態化すると、きちんとした言葉が口から出なくなるのだ。
 最後まではっきりと伝えるという意識を持てば、省略した言い方をして何も感じな くなることはなくなるはずである。端折り言葉が市民権を得つつある今日だからこそ、 最後まできちんと言う話し方は、きらりと光るものを感じさせるのである。

4,別れ際の言葉の美学
 挨拶の中でも最も難しいのが、別れの言葉である。会社でも 見送りがきちんとできているところは、躾の良さを感じさせ、 別れ際の態度や言葉は後々まで胸に残ることが多い。別れ際の 5分で大事なお客の心をさらにぐっと引き寄せるかどうかがか かっているといっても過言ではない。長居した訪問者を玄関先 まで送り出して「やれやれ」とばかりに「さよなら、失礼しま す」とあっさり交わしたのでは、今後の関係に悪影響を及ぼさ ないとも限らない。
 先方との好意的な関係を期待するなら、別れ際は最重要である。英語では「see you again」中国語では「再会(ツァイチェン)」で、別れの寂しさよりも、次に会うこと への将来の希望を感じさせる言葉がある。「では、またお目にかかりましょう」「今度、 お目にかかるときは○○○」といった言葉が自然に出れば、別れのひとときも楽しく 次の人間関係につながる可能性を秘めている。また、そのときに重要なのは、相手の 名前を「○○さん」「○○先生」等と意識的に呼びかけることである。「○○先生、大 変お世話になりました。また近いうちにお目にかからせてください」と。挨拶に自分 の名前が加えられるだけで、相手にとっては特別な挨拶になるのである。


■2005年10月20日号■
〜特集〜内部統制の時代 1

 「個人情報の漏洩」「内部告発」「粉飾決算」等、これらのニュースがマスコミに取り上げられ ない日はないと言っていいほど、企業の不祥事はよく耳にするようになった。これは単に不祥 事が増えたのではなく、これまでなら問題にならなかった、あるいは隠し通して水面下に納ま っていたものが、表面化するようになっただけのことである。それほど時代は、シビアに企業 のあり方を問うようになったのだ。企業規模の大小に関わらず、避けて通ることのできない「内 部統制」について、ハーバードビジネスレビュー(ダイヤモンド社)とクラブ・アクエリアス の講演録をもとに2回にわたって特集してみたい。

1,「内部統制」とは
 内部統制とは、企業がその事業目的を効率的かつ効果的に、しかも合理的に達成するため の内部システムのことである。業務を効率的に実行するだけではなく株主等に対する説明責 任として会計報告をすること、及び関係法規を守ることが含まれる。内部統制とは、目標に 向かって組織や人を導く力である。

2,日本では西武鉄道株事件から始まった
 2005 年7 月13 日、金融庁が主宰する企業会計審議会内部統制部会が「財務報告に関わる 内部統制の評価及び監査の基準」の草案を公表した。サーベンス・オクスリー法(SOX 法) がエンロンの不正会計を端に制定されたように西武鉄道の名義株の不正がきっかけとなって、 日本では遅れること3 年、公開企業に「義務と責任」をより強く求める法的フレームワークが整っ た。
 2004 年10 月13 日、40 年以上にわたる有価証券報告書の虚偽記載が発覚。西武鉄道の大 株主であるコクドは、みずからが保有する西武鉄道株を約1100 人の個人が保有しているよ うに見せかけていたのである。この一件では、公開企業におけるオーナー経営者の責任と規 律を問うだけでなく、旧くて新しい問題、すなわち「内部統制」のあり方についても一石を 投じることになった。たとえば、株主名簿の管理や配当金の支払いなどの株式事務などを事 前処理していたこと、会計監査はたった二人で、それぞれ18 年と29 年という長期にわたっ て担当していたことなどだ。また、有価証券報告書の提出先である金融庁財務局の審査体制 の脆弱さも露呈することになった。

3,「内部統制」の基本的要素
 内部統制基準では、次の6つを挙げている。内部統制は、単に社内規定を策定し、それら を文書化すれば事足りるわけではない。
1.統制環境 これは、組織の気風を決定し、組織内すべての構成員の内部統制に関する意識 に影響を与えるものと定義される。具体的には、経営者を含む、全社員の誠実性や倫理観、 トップ・マネジメントの意向や姿勢が含まれる。これが、他の内部統制の基本的要素すべて の基礎となる。
2.リスクの評価と対応 組織の内外で発生するリスクを識別した上で評価し、評価されたリ スクに対する適切な対応を実施することである。リスクを特定し、それを正しく評価するこ となくして、適切な内部統制を設計することは不可能である。
3.統制活動 経営者の命令および指示が適切に実行されることを確保するために定める方針 および手続きと定義される。現場レベルにおける具体的な管理手続きそのものである。
4.情報と伝達 設計された内部統制が適切に運用されるための潤滑油の役目を持つ。必要な 情報が適切な役員や従業員に、適切に伝達されるための仕組みである。これが実現されない 限り、ルールや仕組みは機能しない。
5.モニタリング(監視活動) 内部統制が有効に機能していることを断続的に評価するプロ セスであり、日常的な管理活動に組み込まれた「日常的モニタリング」と、「独立評価」(主 に内部監査部門がその役目を担う)の二つがある。
6.IT の利用 組織目標を実現するために組み込まれた情報システムを管理する内部統制を指 す。IT 利用環境に関する全般統制と、業務プロセスに関する業務処理統制に分かれ、主にIT 部門が担当する社内管理手続きの仕組みである。

4,「内部統制」の欠陥:不正行為
1.営業や販売業務にまつわる不正行為
・カードやローンによる架空の売上を計上・未出荷商品の売上計上・請求書の水増しによる 差額金を着服・リベートの水増しによるバック・リベートを着服・架空売り上げと業績の水 増し、翌朝の返品処理、同一商品の複数回にわたる架空販売による売上計上・カード・ロー ンによる架空の売上げを計上・未出荷商品の売上計上・請求書の水増しによる差額金を着服・ 請求漏れ・営業担当者による直接回収した売掛金を着服等
2.経理業務にまつわる不正行為
・経理部員が小口仮払金を使用に繰り返し流用・経理部員が会社の普通預金口座の金を私用 に流用・経理部員が私的な買い物に会社の小切手を利用・経理部員が架空の会社に小切手を 振り出し、これを換金化・経理部員が領収書を発行し、現金を着服し、先の領収書を紛失処 理・自社の商品券を交際費の名目で持ち出し、換金して着服・総務部員が収入印紙を金券シ ョップに持ち込み、換金して着服・架空の領収書を作成し、これを担保に資金を借り入れ・ 会社の金を商品取引で運用し、その取引報告書を偽造・銀行振込依頼書の偽造・当座口座の 金を私用に引き出し、銀行勘定照合表を偽造・交際費の水増し請求書による着服・カラ出張 等
3.財務業務にまつわる不正行為
・手形を余分に振り出し、街の金融業者で割り引いて着服・書き損じを装った手形の不正振 り出し・薄外の融通手形の振り出し・必要以上の借り入れにより、金融機関から個人にキッ ク・バック・高金利の借り入れを飲むことで、金利の一部が個人にキック・バック・予備株 券により株券を偽造し、現金化し着服・廃棄株券を処分せずに、質入れして着服・取引先の 非公開株を高値で購入し、一部を裏リベートとして着服・有価証券の預り証を偽造・利付き 国債の利札を勝手に換金し、着服・情実による貸付の焦げ付き・担保物件の横流し等
4.人事業務にまつわる不正行為
・前歴の未確認のままに採用し、不正行為が発生・他の従業員の残業代を横領・残業代の過 剰請求・従業員の社会保険料を納付せず、着服・通勤費のごまかし等
5.購買業務にまつわる不正行為
・取引先に過大に支払い、その返金を着服・取引先と共謀し、架空取引と架空請求による入 金を着服・取引先からの依頼による架空仕入れを計上し、裏リベートの授受・在庫の横流し 等のである。


■2005年10月30日号■
〜特集〜内部統制の時代 2

 内部統制とは、平たく言えば「リスク管理」ということになるが、前回に続き、内部統制に ついてレポートしたい。((株)エス・ピー・ネットワーク常務取締役 関根光郎氏 クラブ・ アクエリアス講演録より)

1,他山の石?危機管理としての内部統制
 「危機管理って何ですか?」と、皆さんに問いかけたら答えていただけますか?たいていは 「あーリスクねー、危ないことかなぁ」という風に言われる。リスクというものを簡単にご説 明すると、最近、日経新聞にもよく出ているんですけれども“内部統制”ってことなんです。 「内部統制を確立しよう」と。これがね、危機管理の一弧になるんですよね。リスクが内部統 制の弧、構築なんです。昔は「リスクは見えないもの」って単純に判断していれば良かったん ですけど、見えないもの触ったらお金かかって大変です。だから、どこから触ろうかってこと になるんですが、リスクにはミドルクライシスとクライシスがあるんです。日本は単純明快で、 危機全てが危機なんですけれどね、アメリカでは分けてます。
 クライシスっていう言葉、最近メジャーになってきたのでご存じの方も多いと思うんですけ ど、何がミドルで何がクライシスなのか?まず1つめはマスコミなんですよ。マスコミに情報 が流れちゃった、次に行政、司法、それからステークホルダー。それらに情報が漏れたのもの をクライシスと言います。
 世の中に全部バーンと暴露されちゃう。自分から言えばいいんですよ。脱税しても、自分か ら「あれ、これ粉飾になってるよ」と。そして自分から「すいません、これ申告漏れになって ました。支払い方法は?」と聞けば、摘発なんかされないんです。隠しに隠すから、おかしく なるんでしょ?それが売り上げ至上主義です。儲けてさえいればいいと。だから裏からひっく りかえされるんです。
 儲かってきたなと思ったら襟を正したほうがいいですね。私も得意じゃないですけど、儲か ったなと思ったら銀座行っちゃったり中須行っちゃったりするんで・・・悪い友達があそこに はいっぱいいますのでね(笑)それは、ほどほどにっていうところだと思います。人間すべて がガチガチでもいけないということです。ビルもそうなんですけど、遊びがないと壊れますよ ね。遊びがあるからこそ柔軟性を保っているんで、聖人君子みたいになっちゃったら今の世の 中は生きて行けないと思います。

2,内部告発への対応
 要するに、クライシスはメディアですよ。2番目が司法、3番目が行政、4番目がステーク ホルダー。最後は誰が処分かけるかと言うと司法ですからね。皆さんの会社を手の内に治めて いるのは司法なんですよ、行政じゃないんです。その先頭に立つのがメディアです。
 クライシスにならないために、色々手段を講じて社内で収めなきゃいけないんです。社内で 不正を見つけることが出来た、従業員が不正をやった、背任横領をやりました、そんなものは 何てことはないんですよ。社内できっちりとしたシステムをとって、マニュアルを作って、仕 様書を作っておけば社内で解決できるんです。社内解決できるものが、外に出るからアウトな んですよ。それがクライシスです。だから、ミドルクライシスのところで収められるように、 そのためには、日頃から世の中をよく見ておかなきゃだめなんです。自分の城の中だけ覗き込 んで籠城しているから、外から攻められるんです。自分の会社を第三者の目で覗き込んでみる と穴だらけのはずなんですから。

3,管理職以上は現場のクレーマー(クレームを言う人)に徹する
 例えば、うちのクライアントであるドン・キホーテのエリア・マネージャー会議に行って「あ んた達は各店鋪巡回しているでしょう?どういう目で見ているんだ」と聴きます。「俺はエリ ア・マネージャーだ」と、偉そうな顔して店長クラスがずらーっと並んだところに礼させるた めに行っているのか?そうじゃないだろうと。自分が担当している店鋪で何か足らないものを、 これはこうじゃだめだろうというものを見つけに行くのが自分の仕事だろう。だったら自分が クレーマ−になりなさいと言うんです。
 例えば、この部屋で消防的な違反はないかなと、消防官になったつもりで見つけていけばい い、そういうふうに見る。そこがオーナーの仕事なんですよ。帝国ホテルの会長は、ゴミ拾い をやっています。毎朝早く行って、まずゴミを拾う。自分の会社を愛しているからでしょう。 俺は会長だ、社長だと言って偉そうな顔して、ゴミが落っこちているのも目に入らないような 会長、社長はすぐ辞任すべきなんです。自分から拾うべきなんです。トイレにトイレットペー パーがなければ、自分でセットすればいいことなんです。それによってお客さまが喜んでくれ る、これがカスタマー・サティスファクションです。また、自分から進んでやることによって 従業員のモチベーションが上がる、エンプロイー・サティスファックションでしょう。

4,危機管理対策のない企業に発展はあるか?
 従業員の満足プラス、マネジメントの満足になりますから経営満足ですね。三位一体になら ないと企業は回らないということです。じゃあ、皆さんのところで従業員が満足して働いてい るっていうことを点数で出してあげているかということになりますが、これが、内部告発にな るか、ならないかの瀬戸際なんですよ。内部告発っていうのは、内部の人間が内部にしなくて はならないことなんです。外にしちゃダメなんです。雪印もそうだし、JAL なんか最近いろん な事件が発生してますが、あんなの昔からあるんですよ。あるんだけど、今はどんどん出ちゃ うんです。システム上そうなってきている。出すべきだとなってしまう。
 隠しちゃいけません。臭い物に蓋したらガスが出て爆発しちゃいますよ、だから「必ず悪い と思ったら発表しなさい。でも発表段階でもないものまで、発表しちゃいけません。確実にわ かっていて、ウチが悪いということは発表しても、このことについてはまだ調査しております、 次のプレス発表の時にさせていただきます」という風にすると、何の問題もないんです。防御 策のための準備段階を持つんです。
 統計をとりましたら、不祥事は、内部不正を摘発する部署とか、危機管理室、法務室など設 置していない企業から90%出ています。あと10%はやっていても起きるんですね。どんな大 きな企業でも起きてしまうんですよ。デュポンやキャノンとかいった危機管理体制の構築はす ごいですよ。ぶ厚いマニュアルがあるんですけども、こんなの読んでいたら1年かかっちゃう んじゃないかっていうくらいのマニュアル持っているんですよ。何もしないで事件が発生した ところと、体制を整えて事が発生したのとでは、メディアの見方が違うんですよ。本気で自分 の企業を愛して、今後自分の企業を大きくし、永続性をもって、皆さんに喜んでもらう企業を 作るならば、この管理というところに目を向けなければ、必ず会社は潰れます。

[F&Aレポート 2005年10月10・20・30日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2005年9月10・20日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

 中秋の名月は、久しぶりにきれいなお月様を見ることができました。下の世界 で起きている出来事とはずいぶんかけ離れた世界のようでした。たまにはボーっ と空を見上げることは本当に大切なことですね。
 以前からご案内いたしておりましたふじわらフォーラムは、9月3日、松山市 総合コミュニティセンターで開催され、全国各地から130名の方が参加。今月 のレポートにも掲載された藤原直哉先生と、中村時広松山市長の講演と全員参加 のアトラクションで大変盛り上がりました。今回の選挙で、政治家がどこまで国 民の幸せを考えているかわからなくなってしまった今、自分たちのことは自分た ちでしっかり考えて守っていかなければならないことになりそうですが、その際 に私たちが住んでる地域を良くしていく意識はすごく大切ですね。
 さて、その衆院選挙ですが、勝つつもりのない人まで当選してしまったと言う 前代未聞の自民党の大勝利に終わりました。郵政改革だけを訴える小泉首相の作 戦は大成功で、物事を単純に見ること、そして単純化の問題に気がつかない大衆 行動の危険性を深く感じることになりました。太平洋戦争の発端は、軍部が勝手 に暴走したわけではなく、国内のストレスを中国に向けようとした国民の妄信で、 今の小泉さんと当時の近衛首相の訴えはあまりにも似ているとよく言われるとこ ろです。
 冷静に考えてみると、私が専門とする税制の分野でも、小泉首相の政策的な考 えを感じたことはありません。財務省の暴走を感じることはあっても、他の政治 家も含めて、政治レベルで何らかの判断(または調整)が行なわれているように は思えません。郵政改革のみの政策で、他の政策については白紙委任してしまっ た以上、今後、行財政「改革」を命題とした増税は避けられないと思います。他 に、医療「改革」といえば、医療費を上げること、年金「改革」とは年金の支給 を減らすこと・・・み〜んな「改革が良い」と言っちゃったわけですから、これ から生活がどんどん厳しくなっても仕方ないですね。「そんなのわからないだ ろ?」って?確かにどうなるものかわかりませんが、ただ、そんな方向性が見え るのに時間はかからないと思います。早速、税制改革は12月を目処に行われま す。しっかり期待して見ておいて下さい。
 いずれにしても、国の政策は、潰れかかった国を立て直すために、国民にあら ゆるところで負担を強いてくることになると思います。公務員が悪いと言っても、 公務員だって私生活では大変な思いをすることになるでしょう。仕事の部分はど んなに厳しくても。今回の選挙でとんでもないことをしてしまったと感じ、次に 何をすべきか?という点を明確に国民が選択できるようになるまでは、本当にし んどい思いをしなければならないようです。本当に大変ですが、起きてしまった ことは仕方ありません。こんなときに本当に大切なのは信頼できる仲間です。し っかり腹をくくってがんばりましょう!

PDF F&Aレポート9月10日号[PDF版]
PDF F&Aレポート9月20日号[PDF版]

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■2005年9月10日号■
〜特集〜世界遺産高野山の神秘を訪ねて 2

前号に続き高野山の神秘を特集するが、今回は中でも密教、空海、曼陀羅の摩訶不思議 の世界へと誘いたい。いずれも奥深い世界なので、さわりの部分だけの紹介となるが、高 野山のイメージを広げて頂ければ幸いである。(参考資料 学研:密教の本 一部抜粋)

1,密教と水銀鉱脈の不思議な関係
 真言密教の聖地・高野山には水銀鉱脈が埋もれている。錬金術に欠かせない水銀と密教 の霊場は、ことのほか関係が深い。
 空海に関して言えば、まず、その修業時代に踏破(とうは)したことが分かっている山 岳地帯は、ことごとく水銀や金・銀などの鉱床・産地なのである。山岳霊場金剛山地では 現代に至るまで水銀が採掘されていた。吉野の金峯山(きんぶせん)は、昔『かねのみた け』と呼ばれていたところである。吉野の山人族は古代、水銀の採取を特技としていたし 金峯山では江戸時代には金を産出していた。この吉野から熊野にかけての山岳地帯は、か つて京の女官に重用された『伊勢白粉(いせおしろい)』の産地だった。水銀と塩を混ぜ、 蒸し焼きにするとできる白い粉が、白粉として使われていたのである。四国に渡ると、石 鎚山が鉱床であるし、徳島県から愛媛県にかけては、戦前多くの鉱山が開発された鉱床地 帯である。
 現代では、ここに地質中央構造線が走っており、その外側は金属資源が豊富であること が分かっているが、空海の時代は、もちろんそんな知識はない。空海の修行地が、すべて そこに選ばれていることは偶然の一致なのだろうか。

2,曼陀羅 森羅万象を集約した極彩色のヴィジョン
〜現代人の心を惹きつけるその魅力〜

 「マンダラこそひとつの個としての人間の完成像であり、全ての道はそこに通じる」と 考えたスイスの偉大な心理学者ユングを筆頭に、20 世紀になると仏教以外の多くの人々が 曼陀羅に注目するようになった。曼陀羅が、現代人を魅了する理由はどこにあるのか? 曼陀羅は、サンスクリット語のマンダラの音を写した言葉で、語源的には「本質を有す るもの」「完成されたもの」という意味である。つまり仏の悟りの本質そのものを指す。 日本に最初に曼陀羅を請来した空海は「密教の教えは奥深く、言語・文字で表現するこ とは困難。図画をもって密教の大生命の世界を示す」と曼陀羅を説明している。即ち、仏 教の世界で悟りへの障害物として扱われてきた人間の五感を活用して、宇宙の真理を会得 しようという態度が空海の言葉には表現されている。
 一般に仏教では聞く、見る、嗅ぐ、味わう、触れるの五感は、人の心に煩悩の迷いを生 じさせるものと考えられているのだが、密教では「宇宙の真理は人間の理性だけでは理解 することはできない。だからこそ人間の持つあらゆる感覚器官を総動員して真理を捉える のだ」という。そして目という感覚器官を活用して宇宙の真理を獲得するための道具が曼 陀羅というわけなのだ。曼陀羅には宇宙のシステムが表現されている。そこに描かれた仏 菩薩や神々の色・形・位置・持ち物などすべてが宇宙の真理をシンボライズしており、そ れを目で見ることにより、人は宇宙の真理との交流を体験することができるのである。

3,数々の奇跡を起こした空海伝説
 密教を中国からもたらし、真言宗を開いた空海は、いうま でもなくわが国最大の宗教的天才である。と同時に文化、教 育、社会事業と幅広い活動をなし、医療や土木・建築・鉱業・ 自然科学など、多くの分野で驚くべき才能を発揮している。 その巨大な謎をはらんだ活躍ぶりは時に「超能力者」と呼ば れるほどである。
 例えば、弘仁12 年(821)、空海は四国・讃岐の満濃池(ま んのういけ)を修築している。周囲20 キロ、現在も46 平方 キロの田畑をうるおす日本一の溜め池である。当時の土木技術水準からみれば巨大な人工 湖といってもいいこの池が大決壊し、3年の歳月を費やした修築工事もうまくいかず、空 海が派遣されたのだが、空海はその難工事をわずか1ヶ月で完成してしまう。後に満濃池 が近代的ダムに改修されたとき、調査にあたった土木技術者が「現代にも通用する合理的 な設計だ」と驚嘆したほど、それは優れたものだった。
 また、弘仁元年(810)、大和平野でイナゴが異常発生して、収穫期の田畑を食い荒らし、 あらゆる手段をつくして駆除が行われたが効果はなく、緑はみるみる失われていったが、 そこへやってきた空海が、護摩壇を築き害虫駆除の法を修すると、野山を覆い尽くしてい たイナゴの大群は一夜にして消え失せた。その他、天長元年(824)、日照り続きの農地に、 真言を唱え激しい雨を降らせたこと(古書には「そのとき神泉苑の池に丈余の蛇に乗った 金色の竜が現れた」と伝えている)など、空海の民衆を救うための修法祈祷は、その生涯 で51 回に及んでいる。そんな空海の「万能の天才」、超越的な能力は、どのように身につ けられたものなのだろうか。今も空海が入定したまま生きていると言われる高野山の霊気 には、その答えが潜んでいるやもしれない。


■2005年9月20日号■
〜特集〜藤原直哉が語る世界経済の動向2005

クラブ・アクエリアスでの一年に一度の講演が恒例になっているエコノミスト藤原直哉氏 の講演(9 月15 日 広島)は、映画「華氏911」の監督であるマイケル・ムーア氏が、ブ ッシュに投票した米国民に宛てた一通の手紙から始まった。今回はその講演要旨をレポー トしたい。

■ブッシュ氏は、弱者救済や国内危機管理への対応をする気はなく、能力のない人物をポ ストに就けているようだ。緊急事態庁長官のフィーマンが良い例である。ハリケーン災 害のときブッシュ氏は5日間何もしていない。911 の時と同じではないか。米国では8 人に1 人は極貧、6 人に1 人は学校を卒業できない。4300 万人は健康保険もないのが現 状である。また米国の自己破産で1番の理由は、高額医療費の不払いである。今回の自 民党圧勝は、日本の危機を感じる。日本は米国のように弱者が暮らせない国になるので はないか。

■奥田経団連会長の発言は「こんなに勝つとは思はなかった」である。規制緩和により財 界は鴨ねぎになる。郵政民営化で350 兆円は、米国金融の手に渡る可能性が高い。彼ら は日本大手企業の株の売り買いを始め、投資家を弱らせ、弱体化した企業を買い取る。 今回の選挙がもたらすわが国の影響は大きいが、これもある意味で、新生日本にとって 必要なことなのかもしれない。

■中国・韓国は今回の小泉圧勝に対し戦争に向けた大きな不安を感じている。石油・金・ ダイヤを持つ金持ちロシアは、冷戦は終わっていないと言っている。イラクとの戦争に 負ける米国により軍事バランスが崩れる今が最後の勝負時期であり、中国との共同演習 は、米国との戦争対抗のロシア製の武器売込みが目的である。また、ノースウエストや デルタ航空が倒産したが、次の大手米国企業の倒産は何が出てくるのであろうか。

■不動産下落。中国は総てが不足している。バブル崩壊の時は政府が変わることで立て直 しを図るが、北京政府は他の政党と変わることが出来ない。軍は省単位でビジネスをし、 自活して給与を払っている。いざと言うとき北京政府の命令を軍が受けて行動するだろ 2005 年9 月20 日 F&A Consultants Inc. 発行人/酒井啓司 790-0006 愛媛県松山市湊町4-2-1 TEL 089-931-3235 FAX 089-931-6370 うか。1991 のソ連崩壊のときは軍が動かなかった。これが崩壊の原因である。

■ブッシュはハリケーン災害の責任は自分にあると国民に謝ったが、イラク戦争でも必ず 国民に謝ることになる。米軍本部は3月以降に新兵は派遣しないと声明している。サマ ワでは、英国・オーストラリアが帰国した後、自衛隊はどうするのか。帰国できない場 合、戦うのか?大きな問題となる。

■ドイツでは、ヘッジファンドが4 分の1 の資本を握っている。フォルクスの工場はポー ランドや東欧に行く。グローバル競争の中で、ヘッジファンドはドイツ人の暮らしや雇 用は視野にない。米英も企業がよみがえらない。規制緩和は企業の競争力を奪っている。

■イランは天然ガスが豊富でインドや中国に売っている。現在核開発を進めているが、原 子力発電の必要性は全くない。サウジやクウェートを倒すために核爆弾開発をしている に違いない。このあたりと台湾が1番戦争の危険性の高いところではないだろうか。

■企業の競争力は、他社と違うことが出来ることである。価格を下げる営業は負ける。ホ ームセンターもインターネット販売に品揃えで負ける。消費者は自分の本当に欲しいも のを手に入れたい時代。DVD もインターネットの無料宅配で手に入る時代。インフレの 中で値下げをする企業はだめになる。不特定多数の客を相手にする時代から、固定客を 相手にする時代へ変わる。今から始まる10 年のインフレや0 金利が終わる中で本当に 強いところが残る。経営者は世の中をよくすることが課せられた義務があり、インフレ 時代にはそれが問われることになる。

■デフレの時代はキャッシュを手元に置くが、インフレはキャッシュを使うべきである。 不動産は早く処分したほうが良い。株はだめ、債権はだめ、社債は1番だめ。自分の健 康に金を使うことが1番である。10 年後の未来に向け、自分の実力を養うために使うこ と。資産は実力を手に入れる武器である。インフレ時代の選択肢は攻めること。デフレ は企業の統制部署の強化であるが、インフレでは現場能力が問われるため、現場の挑戦 的機能が必要となる。

■18年度の地方予算は交付税を含め、自民党の圧勝により、国は大幅にカットする。地方 は独自に行きぬく道を探すことになる。長野・岩手・三重・福岡・高知などのリーダー は良い。地域を盛り上げるチームワーク、それに必要な新しいリーダーシップのある人 材による、うまい地域づくりをやり、足元を固めて世界とどうやって提携していくかを 考察しなければならない。何もしないのが1番のリスクである。

■しかし、やりすぎると全てが抜けてしまう。オーバーフローした部分だけが抜けるので はなく、これまでの全てが抜けてしまう。(一定の料を越えて注ぐと、湯飲みの中の水が すべて抜け落ちてしまう沖縄で開発されたぐい飲みを例に出しながら)ほどほどにやり ながら勝っていくこと。あの会社のこの商品しかないと言われるものを目指すべき。怖 いと思ったらおしまいである。腹をくくって、前に逃げること。後ろに逃げては負けで ある。

[F&Aレポート 2005年9月10・20日号 Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.]


F&Aレポート 2005年8月10・20・30日号     Presented by Aquarius Intelligence Institute Inc.

 F&Aレポートをお送りします。次回に引き続き、PDFファイルにしてみました
 さて、8月も後半に入り、急に涼しくなってきました。真夏の格好で寝てしま った私は少し風邪気味です。また暑さがぶり返すかもしれませんが、季節の変わ り目、十分体にはご注意下さい。
 さて、小泉さんの訳のわからない解散劇から、衆議院選挙が始まりました。最 近の政治に関する報道を見ながら思うことですが、人の考え方というものがひじ ょうに狭く、そして単純になっているような気がします。それは見方によれば、 すごくわかりやすいことなのですが、逆に大変危険なことです(ヒットラーもこ の路線で政権を取ったのですから。気分転換にこんなサイトはいかがですか? http://www.kokumin.biz/manga.html)。物事は複雑であるから、慎重になるの だと思うのですが、単純に発想すると単純に行動してしまう。たとえば、企業の 経営者が粉飾をするから監査を厳しくすれば良いというのも単純な発想の一つで すね。個人情報を漏洩する奴がいるから、漏洩の罪を厳しくすれば良い。法律を 作った人間はそのように規則を厳しくすれば世の中がよくなると信じている訳で す。本当にそうなのでしょうか?
 また、選挙では、郵政改革が止まれば日本の改革が止まるかのように言われて いますが、本当にそうなのでしょうか?ここまでの改革とは、既成の権益から日 本経済を開放するという意味でも扱われていると思うのですが、それは単純に競 争すればよいということなのでしょうか?小学校の運動会を見たときに、早く走 る子が一番優秀だと単純に判断してよいのでしょうか?逆に、試験が一番できる 子が優秀なのでしょうか?今の政権が目指している改革は、そのような子を優秀 だと決め付ける改革のような気がします。単純に、安いものなら何でも良いとい う発想にはまっていないでしょうか?今の日本が目指さなければならない「改 革」とは何だ?という議論が置き去りにされていないでしょうか?「改革」とい う言葉の意味をしっかり考えることが先なのではないでしょうか?少なくとも、 それは郵政改革ではないし、仮に郵政改革だとしたら、本来あるべき改革を先に 示すことが政治の使命だと思うのですが。
 とにかく、そんな単純な論理にマスコミも翻弄されてしまっているような気が します。
 いずれにしても、しばらく混乱は続きそうです。政治や経済で疲れ切ってしま わないように、夏風邪なんて引かないようにして落ち着いた秋を迎えましょう!

■2005年8月10日号■
〜特集〜経営者は「声」が大事
声は変えられる 磨きをかけよう 毎日数分のトレーニング

 ある著名な方の講演会に行った。経営にまつわる色々な話をされる中で「経営者は声が大事」 という話があった。「どんな立派ないい話をしても、声が通らないと相手に伝わらない。説得力 がない。経営者は人を動かすのが仕事なんだから声をもっと鍛えるべきだ」と。
 日頃、意識することもなく自らの呼吸に任せて発しているのが現状だが、毎日、数分の トレーニングと、心がけで声は確実に変わるというのだ。 今回は、日頃のボイストレーニングを紐解いてみたい。

1,自分の声を聴いてみる
 話し方や声を矯正するには、まず自分の声を客観的に聴き、自分 の声を知るところから始めるのが最も効果的である。
 最近、便利になったとつくづく思う。少し前までは「自分の声を 録音して聴く」ためには、テープレコーダーやカセット、あるいは ビデオなど、何やら大袈裟な装置を準備しなければならなかったが、 今は、携帯電話のボイスレコーダーや伝言メモ機能がある。携帯電話を取り出して、録音し 聴いてみる。非常に手軽に、しかも何度も自分の声をチェックすることができるのだ。
 「自分の声を聴く」という研修をすると、多くの場合、会場は「クスクス」という笑い声 や、「エーッ」という驚いたような、がっかりしたような声がもれる。10 人中9.8 人が「自 分が思っていた自分の声と違う」「聞き取りにくい」「暗い」「変な声」等と、マイナスの評価 を下す。しかし、指導する側にとっては、ここでマイナスの評価が下されると、半分は成功 したと思うのである。自分の弱点や欠点を知って、初めて改善への道が開かれるからだ。し かも、どこをどんな風に直せばいいかという具体的な点まで明らかになるので到達も早い。
 そもそも、声は、声帯で作られた音が、喉で響いてから口の中でも響いて、それから声と なって出てくるのである。さらに、空気に触れて相手の聴覚でキャッチされる。その仕組み を考えるだけでも、自分の声を意識する第一歩になる。

2,声はイメージに働きかける
 ケネディ大統領には、マクロスキー教授(マサチューセッツ工科大学・ボストン音楽大学) という声のコンサルタントがついていたと言われるが、歴代の米国大統領にも、そうした役 割を果たす専任の人物がいると言う。日本の場合は、声のコンサルタントがついているとい う話は聞いたことがないが、聴衆の心を捉えるために演説や話し方の工夫をし、研究をして いる政治家は多い。
 目が口ほどにものを言うのなら、声は顔ほどに人格を伝えると言っていい。なぜなら、声 はイメージに働きかけるからだ。
 人は聴覚から入った情報でイメージをする。企業において、電話応対が大事とされるのは、 電話の第一声でその会社の文化、風土、哲学などが、一瞬のうちにイメージとして伝わるか らだ。今は、メディアが発達して活字よりも声や音声で情報をキャッチすることが多くなっ た。ビジネスでもプライベートでも、いつでもどこでも直接つながることが出来るようにな り、読むことより聞くこと、活字から声へ時代がシフトしていっているのだ。

3,あなたの魅力を引き出すためのヴォイストレーニング
 「口先だけでものを言う」とは、心にもないうわべだけの言いぐさを表現するが、まさし くその通りで、声そのものも口先だけで発しているわけではないのだ。発声器官と全身の筋 肉の働きで、初めて声として伝わるのである。そのため、声は、大きい、小さい、太い、細 いなどの身体的な特徴や、心理的な状況も表れるのだ。
 声楽を学ぶ人やその道のプロを目指す人は、良い声を作るために発声器官の訓練と全身の 鍛錬などをするが、経営者、またはリーダーとして、声に磨きをかけ、自らの持ち味を存分 に引き出すなら、「アイウエオ」の訓練から始めると良い。
 日本語は、アイウエオの母音と、子音55 音、拗音(キャ、キュなど)合わせて150 にも 満たない音の組み合わせで成り立っている。これらの音を正確に発音することによって、正 しい明確な言葉として伝わるのである。
 毎日「アエイウエオアオ」と、指が縦に2〜3 本入るぐらい口をあけて、口を動かし声を 出す。声は、力まず自然な状態でなるべく大きな声を腹から出す。このとき、口をしっかり 動かすことで顔の表情筋も鍛えられるので、一石二鳥である。続いて、「アッ・エッ・イッ・ ウッ・エッ・オッ・アッ・オッ」と、スタッカートを入れ、音を一音ずつ腹筋を使って切っ てみる。これを3 回繰り返す。母音の響きが美しくなれば、子音もそれにつれてよくなるの で、第一段階としては、子音をあまり意識しなくとも良い。
 声を磨けば、自分に自信が生まれ、積極的な思考をするようになるので、表情も対人関係 も変わってくる。まだまだ眠っているあなたの魅力を引き出そう!


■2005年8月20日号■
〜特集〜産廃からブランド豚育成物語
7000 坪のファームに広がる循環、共生、子供達の夢

 広島市の北部、太田川源流に近い山間部に知る人ぞ知るファームがある。このファームは、 平成13 年、広島市の一産業廃棄物業者の「食品リサイクル」という概念から誕生した養豚 場であるが、豚だけでなく、ダチョウやヤギ、ポニー、クジャク、ガチョウ、犬といった様々 な動物達がゆったりと飼育され、近隣の幼稚園や小学生の子供達が遠足で遊びに来るふれあ い動物園の要素もある。養豚にはまったくの素人であった一産廃企業が、この土地で鹿児島 の黒豚にも並ぶ卸価格で取引される程の広島初のブランド豚育成に成功し、ファームを事業 として展開していくには、さまざまな物語があり企業理念があった。そして、この新しい取 り組みは有望なビジネスプランとして、2004 年日本商工会議所青年部ビジネスプランコンテ ストで準優勝に当たる会頭賞に輝いた。今回はこのビジネスプランの一部を紹介したい。

1,食品廃棄物の社会的背景とファーム
 食品リサイクル法では、食品関連業者は平成18 年までに食品循環資源として食品廃棄物 を20%以上再生利用、発生抑制に取り組まなければならない。なぜなら、食品廃棄物は含水 率が高く低カロリーのため焼却処理に不向きであり、今後容器包装リサイクルの促進によっ てプラスチック類の分別が進めば、従来型の処理(焼却)ができなくなると懸念されている からだ。
 現在、食品は主に 1.焼却して電力等のエネルギー化 2.肥料化 3.飼料化というようにリサイ クルされているが、1の焼却については、イニシャルコストが高くダイオキシン対策等で莫 大な費用を要するので民間レベルでの施設を構えるのは極めて困難である。また、2の有機 肥料や土壌改良材といった肥料化は需要先の確保が難しく供給過剰気味である。大規模な農 家でも肥料を使用するのは年間数回と限られている。空き倉庫などに長い間堆積されたまま の肥料も珍しくないのが現状である。では、3の家畜飼料はどうか。食品がすべて飼料にな るわけではなく成分バランスの安定の為、分別の徹底という条件はあるものの、一定の条件 さえクリアすれば、食品リサイクルの中では将来性が期待できるものである。
 通常、廃棄物は処分するよりもリサイクルする方がコストが高いのだが、リサイクル実施 にあたりコスト負担増への不安の解消、リサイクル製品の安産性や品質を確保し、品質、成 分、供給量を安定させ需要の確保、施設の不足といった課題に取り組みつつ、平成13 年に リサイクルファーム(大栄ファーム)を構築した。

2,素人がプロを使う難しさ
 これまで、大量の食品廃棄物を収集し単に処理していた業者がリサイクルを手がける、し かも養豚という特殊な事業である。とても素人で手に負える世界ではない。そこで、養豚の プロを探す。全国から情報を集め専門家に会いに行く。その道のプロは、おしなべて個性的 であるという。ようやく「この人」と言えるプロに出会ったものの、ファーム全体の運営を 任せ、世界的にも珍しい霜降りの豚肉「幻霜(げんそう)スペシャルポーク」というブラン ドを生み出すまでには、会社として幾度となく試練を乗り越えなければならなかった。手の 平で豚の背に触れただけで、その豚が種豚になりうるのか、食肉用で終わるのかを判別でき るブリーダーと呼ばれる専門家は、技術職であり研究職でもある。納得のいく成果が出るま では、利益を度外視して研究に励む。当然、予想外の経費も半端ではなかった。企業として、 先の見えないリサイクル事業に何度終止符を打とうと思ったことか、また、何度人選の見直 しをしようかと、岐路に立たされた数は数えられないという。

3,世の中の役に立ち利益を追求する
 対象顧客は、リサイクルを考える食品関連事業者、養豚肥育農家、小売店である。食品関 連事業者には廃棄物処理のコストを低減し安定させ、養豚肥育農家については飼料コスト低 減と豚の販売価格の安定化、小売店については味・安全性・簡便性を供え、尚かつ広島県の ブランドをつくり鹿児島の黒豚なみの流通性をもたせることでサービスを徹底し事業を安定 させ拡大するのが狙いである。テーマはリサイクルとブランド化である。
 後継者がなく次々と消えていく県内の養豚農家にとっても、ファームにとっても、ブラン ド豚の売買はギブ&テイクの関係である。養豚農家はファームから種豚を一頭80,000 円で 買い付け、その後育てた幻霜スペシャルポークをファームに42,000 円で買い取ってもらう。 ファームは食肉卸売り市場に特別銘柄豚として49,600 円で販売する。特別銘柄豚の販売価 格は、レギュラーポークに比べて2倍近い値がつく。また、ファームは、幻霜スペシャルポ ークを育成する飼料を、養豚農家に20 円/kg で販売する。この飼料は通常のレギュラーポー ク用の飼料の半額である。リサイクルによって生まれたブランド豚は、現在消えつつある広 島県内の養豚農家を救う一翼も担っているのである。

4,子供達の体験の場としてのファーム
 ひと昔までは当たり前であった自然や生き物との触れ合いによる学びの場が失われ、子供 達が命の尊さ、作ることの楽しさ、育てる事の難しさを知る機会が極端に少なくなったこと により生じると見られている、昨今の犯罪の低年齢化や残酷化。そんな子供達が少しでも自 然を体験できるよう、ファームはいつも開放している。微力ながら社会貢献になればという 思いである。たくさんの動物が今日も子供達を待ち、ブランド豚は健やかに育っている。


■2005年8月30日号■
〜特集〜世界遺産高野山の神秘を訪ねて 1

 今年3月、生まれて初めて高野山に上った。「弘法大師という偉いお坊さんが、真言宗のお寺、 金剛峰寺を建てた」と、歴史の時間に教わったのはいつだったか。何かとても神秘的で、由緒 あるところらしいという、その程度の知識で参拝の機会を頂いたというのも、高野山の懐の広 さなのではないかと思う。また、昨年、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録され た高野山は、日々大勢の信者や四国四十八カ所の霊場を巡ったお遍路さんたちをはじめ世界中 から参詣客が集まっている。
 【高野山とは】高野山は、およそ1200 年前に、弘法大師によって開かれた、真言密教の修行 道場であり、全国に広がる高野山真言宗の総本山である。標高およそ900m。山の上の盆地に、 壇上伽藍と称する聖地があり、そこには、さまざまなお堂や塔が立ち並び、 仏像や曼陀羅が参 拝者を迎えている。また、うっそうと杉の樹の茂る奥の院には、太閤秀吉から太平洋戦争の英 霊まで、さまざまな人々のお墓が立ち並んでいる。

1, 墓の博物館〜日本の墓石文化を語る聖地奥の院〜
 やは肌のあつき血汐にふれも見で さびしからずや 道を説く君 与謝野晶子

 明治時代の代表的な女流歌人である与謝野晶子が明治34 年 (1901 年)、高野山で厳しい修行に励んでいる一人の青年僧に 贈ったのがこの和歌。その内容は女人禁制の影響がなお残る高 野山で、禁欲的な修行生活を思いやるものであるといわれてい る。この与謝野晶子の歌碑は奥の院英霊殿付近の参道沿いにあ るが、奥の院は壇上伽藍と並び、高野山で最重要とされる聖地。 推定樹齢800 年の杉木立と約30 万基ともいわれる墓石群が約 2km の参道の両側に並ぶ。終点の燈篭堂は仏教寺院としては 珍しく拝殿の形をとり、その最奥部に弘法大師廟が祭られてい る。燈篭堂正面右奥には石田三成が母のために建てた経蔵(国重要文化財)がある。
 また、高野山は明治時代まで女人禁制であったが、 奥の院は天下の墓所として歴代天皇から全国の大名 (約40%)、無名の庶民のものまで敵味方、身分、 性別、宗派の別なく墓石が設けられている。奥の院 最大の墓石は徳川二代将軍秀忠の正室・お江(おご う)の方のもので、高さは3mに及ぶ。秀忠の兄、 結城秀康霊廟や、上杉家霊廟、佐竹家霊廟は近世初 頭の代表的な霊廟建築として国重要文化財とされている。
 このほか、日本最古の歌碑、与謝野晶子の歌碑、薩摩島津家高麗陣敵味方の慰霊碑、落書 きの碑、シャープや福助といった名だたる企業墓など見どころが多数ある。
 これは「弘法大師の足下に眠れば極楽往生出来る」という信仰によるもので、奥の院を散 策しながら、多くの墓石の中から歴史上の人物を見出すという楽しみもある。

2,宿坊に泊まる 無量光院
 テレビもなければ電話も通じない。早寝早起きをし お勤めを済ます。風の音を聞き、散策をする。ごくシ ンプルな生活に憧れ、いつかは宿坊に泊まりたいと思 っていた。
 高野山には数多くの宿坊があり、高野山の風情の一 翼を担っているのだが、無量光院は、平安時代に白河 法皇の第四王子覚法親王の創建と言われていて、今も なお伝統的宿坊の形態を守り続けている宿坊である。食事も昔ながらの精進料理であるが、 飽食の時代にあって、逆に贅沢に感じるのは幸なことなのか否か疑問である。毎朝六時から の本堂においての勤行は、よく見ると、通常客室係となっている若い修業僧達も法衣をまと って参列しており、早朝の清く荘厳な一時を体験できる。高野山と高野山の歴史を肌で感じ ながら、我が身についた余計なものが少しづつ削ぎ落とされていくような感覚に浸ることが できる。

3,今も生きている空海

 835 年3 月21 日、空海は入定(にゅうじょう)したと言われている(生きたまま仏にな る)。それから1,000 年余り、真言宗では、弘法大師空海はいまも入定したまま、奥の院大師 廟(だいしびょう)に生きていると、固く信じられており、今でも、朝・昼二回、ご供物が 進上され続けているのだ。
 弘法大師が今も、その徳を持って人々を救済しているという、信仰の証でもある。

[F&Aレポート 200