ボストーク -- Boss Talk --
2014年3月。今年は寒い冬でした。3月に入り、やっと暖かい日も増えてきました。時々、冷たい風が吹く中で、陽射しはしっかり春を感じさせます。ソチ五輪が終わり、サッカーJリーグやプロ野球の開幕と、本当に季節が変わってきました。
さて、春と言えば、今年は重要な変わり目です。まず、消費税の税率が5%から8%に上がります。税率自体は簡単な話なのですが、問題は、価格をどのように設定するかです。以前にも書いたように、日本の消費税は付加価値税と言われます。つまり、1,000円の販売価格に、今までは5%、50円の消費税が課税され、4月からは8%の80円が課税されることになります。そして、1,000円獲得のためにかかった仕入等の消費税を控除することになることから、付加価値に課税されるという意味になります。しかし、実体はそうではありません。最大の問題は、1,000円の販売価格なんて簡単に決まらないと言うことです。今の例で言えば、事業者が、「4月から税込の販売価格が30円値上がりすると売れない、なら値引きをして、従来通りの1,050円で売ろう」と考えたとします。8%の税率を考慮すれば、税抜きの販売価格は972(1,050÷1.08)円となります。1,000円+80円であるべきものが、972円+78円という関係です。つまり、販売価格を据え置けばお客様が負担すべきだった30円を、事業者が値引きという形で吸収したことになります。仮にこのようなケースがあったとすると、消費税の負担増は、「納税者」である事業者が負担していることになり、消費税は付加価値に課税されているとは必ずしも言えないことになります。見方を変えると、需要供給のバランスに消費税が加味されていることになります。理論的に構築された消費税は、現実の商取引では理想通り展開されてないと言っても間違いではないと思います。
春の税金、もう1題。現在、国会で審議中の税制改正法案では、ゴルフ会員権を売却したことによる損失が、給与所得や事業所得と損益通算することが、4月から認められなくなります。今の段階で売却することは難しいかもしれませんが、もし含み損を抱えたゴルフ会員権があれば、この機会に売却をご検討ください。
最後に、この4月からのITですが、WindowsXPのサポートが終了します。XPといえば、世の中にマイクロソフトのWindowsが普及に貢献した重要なOS。登場は、2001年。当時、5000万人だったネット人口は現在27億人。4000万だったウェブサイトも6億4000万に増えたそうです。スマホも、タブレットも、クラウドも影も形もない時代でした。
変化を感じる春です。