ボストーク -- Boss Talk --
2014年も早1月が過ぎました。この1ヵ月、皆さまどのようにお過ごしでしょうか。年齢を重ねると、時の流れを間違いなく早く感じます。これは確信です。まだ先だと思っていたソチ五輪も今月開幕。この調子だと、東京オリンピックもあっという間に来てしまいそうです。
さて、昨年からひとまず順調に動き出したアベノミクスですが、ここに来て様々な問題が起きています。当面の課題は、南米諸国をはじめとする新興国の信用不安と、米国の金融緩和の縮小等の影響もあり、円高に歯止めがかかり、日米の株価が不安定になってる点です。一本調子で上昇してきた日本の株価ですが、今年はあまり楽観的に見ることはできないようです。これに消費税の税率引き上げが加わります。
米国についてみれば、FRB議長も、バーナンキからイエレンに代わります。このような時に、金融緩和をやめる必要はないのではないか?という意見もあると思いますが、金融緩和はある意味、麻薬のようなものであり、金融を通じて経済を支えるという役割がある反面、実体以上に資産価値が上がってしまうバブルを引き起こしてしまいますから、その調整は中央銀行にとって大変重要です。
これに対して、日本では、黒田日銀総裁が異次元緩和というように、米国とは逆の政策をとっています。この最大の目的は、デフレ脱却にあるわけですが、日本経済は、雇用や給与水準の改善等が行われておらず、少子高齢化や人口減少の流れも政策の中で具体的かつ明確に検討されている形跡は見られません(様々な政策が生まれていますが、国としての統一的な方向性は見当たりません)。
また、何と言っても日本中の組織や人々の間に、内向きな空気が漂い、思い切った改革は抑制される傾向があります(あくまでも「傾向」ですので、空気のようなものですが)。隣国に対するナショナリズム的な傾向も、国としての後ろ向きな姿勢のように見えます。10年近く前まで、それらの国に対する日本の経済的な地位は圧倒的に高いものでしたが、ここに来て日本をしのぐ局面が多く、フラストレーションが日本に大きく溜まっていることも背景にあるかもしれません。ここは隣国に対して過剰な意識を持たず、国内の問題を解決する方向に注力し、同時にグローバルな視点を持つことが必要です(最近報道された公共放送局の会長の発言も、彼の言おうとする趣旨と、欧米をはじめとする諸外国の意識には大きなズレがあります。欧米の論点は、歴史認識の問題ではなく、そのような存在についてどうあるべきかという「考え方」の問題です)。
まあ大変な年になりそうですが、今年も元気に乗り切って参りましょう!