ボストーク -- Boss Talk --

湊町レター Letter From Minato-machi 2014年1月1日 31

 2014年です。この新しい年を皆さまどのようにお迎えでしょうか。

 私にとっての新年は、寝正月に徹するか、ちょっと遠くに出かけるかのどちらかです。今年は、前者でした。昨年は出張が続いたので、寝正月も溜まった疲れを取るには良い時間となりました。

 以前は、単なる儀式と思っていたお正月ですが、日本人にとって区切りをつける良い習慣だと感じるようになりました。大晦日には、紅白歌合戦を見ながら、この1年を振り返り、日が変わり、年が変わると、初詣に出かけます。書き初めと言われるように、その年初めてすることは何でも「初○○」と言って楽しむ。年賀状で旧友の状況に触れる(最近はFacebookでいつも会ってるような気がしてしまいますが)。

 仕事のことを考えても、一般的に年末には、周りのものを片付けますから、いつもより綺麗になる(税務署でも、通常の調査は12月いっぱいで処理してしまうことが多いようです)。そして、数日休むことで、仕事に対する感覚をリセットする。「初出勤」では、仕事の関係者と新年の挨拶を交わす(以前はこの挨拶が苦手だったのですが、先方の状況を確認して、そこだけ注意すれば、あとは同じことを言っておけば良いということに気がついて、ずいぶん楽になりました)。机の上が整理されていると、不思議なもので、年末にはとんでもなく難しいと感じていたプロジェクトが、年が明けると何とかなりそうだと思えてきます。

 そのような新しい年を迎えて、日本経済はどうでしょうか。昨年は、いろいろな意味でのイベントが続いた年でした。自民党政権の復活〜アベノミクス、東京オリンピック開催決定、徳洲会事件と東京都知事辞任、特定秘密保護法の成立等々。経済的には、年末にかけての株高となりましたが、実体経済はそこまで順調であるとは思えません。製造業の海外移転は、中国からむしろ東南アジアへと拡大しており、日本国内に工場が以前と同じ状態で回帰することは考えられなくなりました。また、賃金問題については、年功序列・終身雇用制度等々が完全に解体された中で、これも以前のような賃金上昇は考えにくくなっています。高度成長期には、毎年数万円上がり続けた給与水準も、今ではせいぜい数千円です。このような状況で、消費税の税率が引き上げられ、円安との合わせ技によるインフレが浸透してくるとどうなるでしょうか?経済成長に支えられていると言われる安倍政権の真価が問われることになると思います。